内容説明
「今日これから会える?」テレフォン・クラブに通って5日め、27歳のぼくに、人妻は言った。そして、思いついた合言葉……「スペインの雨はどこに降る?」「平野に。おもに平野に」……タクシー代もホテル代もぼくに支払わせず、知らぬ間に人妻は部屋から消えた。ぼくは人妻からの電話を待ち続けた(「スペインの雨」)。甘く苦い青春の終わりを噛みしめる9編の恋愛小説集!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
夢の中で枕濡らし
11
9編あるオサレ風短編集だがその1編1編の話の中でもオムニバス風に語り手が変わっていくものだから一瞬サガフロンティアをやってる気分になったがよくよく考えてみると結局そんなことはなかったけれど、やはりどれも話が薄口風味に終わってしまうのですがもはやそれが売りなのかという雰囲気も松田聖子さんはビビビッと感じてられて結局カルビーはコンソメからうすしおに帰ってくるという原点回帰厨の方もいてはるので需要はあると思われるがスペインの雨の正体はトマト祭りの赤い雨というオチかと思っていたがトマトのトの字も出てこなかった。2021/03/06
ウララ
9
短編集。作家である主人公が出会った女性についての話より、いろんな人物が交差する「いつもの朝に」「ルームメイト」がよかった。でもテレクラ(懐かしい!)全盛の頃人妻と「スペインの雨はどこに降る?」を合言葉に会い続ける表題作も、なんだか印象に残る。2020/04/21
momo
9
九編の短編小説が収められ、解説は映画監督の竹下昌男氏です。佐藤正午さんの描く人物は、人との距離の取り方が絶妙です。相手の内面に踏み込まず、少し離れたところから見て気持ちを考える姿に優しさと節度を感じます。「ルームメイト」の「ぼく」の「彼女」に対する距離のとり方が、スマートでこんなふうにふるまえたら素敵だなと思います。泥だらけになる必要なんてないんだと読者にそっと語りかけてくるようです。視点の置き方で物の見え方がガラリと変わる「クラスメイト」も秀逸です。就寝前の読書にちょうどよい温度の小説でお薦めです。2017/08/23
たつや
7
実はまだ、本屋大賞2位の「熟柿」が図書館で予約待ちな為、読めていないので、待ってる間に昔の作品を読んでいるが、本作は短篇集だが、「ジョン・レノンが撃たれた日」が上手いなあと思った。他の作品も読みやすく面白かった。段々佐藤正午が好きになってきたが、結構、お歳をめされているので、健康でいて欲しい。2026/06/14
ponnnakano
6
書き出しに色々なパターンがあって面白い。「ルームメイト」なんかいい。何がいいのか今わからないのが申し訳ないが。小説家と友人の出てくるやつもいい。でも、全体としてこのような文学的な感じがする作品は苦手だ。個人的な感想です。当たり前ですが。2019/04/30




