文春文庫<br> リターンマッチ

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文春文庫
リターンマッチ

  • 著者名:後藤正治
  • 価格 ¥722(本体¥657)
  • 文藝春秋(2016/05発売)
  • 【24時間限定!】春分の日は読書 Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍(3/20)
  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167656157
  • NDC分類:916

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内容説明

定時制高校の教壇に立って二十数年、子供たちの変化に脇浜義明は戸惑っていた。かつては「成績は悪いがケンカは強い」のが自慢の、ゴンタクレどもが集まってきたのに、いつからか「成績は悪くケンカも弱い」ひ弱な子らばかりになってしまった。成績で、生活環境で、いままでの人生を「負け続け」てきた彼らに、ひとつでもいい「勝つ」体験を知ってもらおうと、脇浜はボクシング部を創設する。それは彼自身の敗者復活戦でもあった。第26回大宅ノンフィクション賞受賞作。

目次

第1章 夜学
第2章 道場
第3章 攻防
第4章 硬派
第5章 敗北
第6章 亀裂
第7章 夏
番外篇 フェルナンデスの男―一九九五年

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

183
第26回(1995年)大宅壮一ノンフィクション賞。 西宮西高校の定時制のボクシング部の活動を描いた作品である。脇浜という定時制高校教師が 出会った人生は、なぜか懐かしく 昭和の日々を思い出させる。 ボクシングを介しての生徒たちとの短く そして 暑い夏の季節…心暖かく 余韻に残る、そんな作品だった。2017/10/07

Willie the Wildcat

21
人生の”敗者復活戦”。自分の人生でも思い当たる転機。見返す、達成、復活・・・。本著では、ボクシングを通した”自分自身”に対するリターンマッチ。真剣勝負。挫折。そして、成し遂げた時の充実感。無論、物理的(例:インターハイ優勝)ではなく、精神的な達成感。その後の人生の”張り”が違う気がする。努力は裏切らない。そして誰かが寄り添ってくれることが鍵。単なる教育論ではなく、人財育成、精神衛生の観点でビジネスにも繋がる。改めて、世の中に根っから悪い人間なんていないよね!って感じさせてくれる。2013/01/05

半木 糺

6
「過剰さ」。それが本書を読んだ感想である。あるいは「濃密さ」と言い換えてもいい。脇浜義明氏は懸命に生徒たちに語りかける。それを一言で表すと「負け犬になるな」ということであろう。脇浜氏はそれを言葉でなく、行動で伝えようとする。しかし「熱量」というものは受け取る側もそれに立ち向かう覚悟を持たねばならない。脇坂氏の放つ過剰なほどの「熱量」は人を選ぶこともまた事実である。しかし、その熱さは本書を通じて、少量ではあるが確かに私にも伝わってきた。2014/02/11

あかつや

5
定時制高校のボクシング部を追ったノンフィクション。世間一般の当たり前とされるルートから外れて定時制に通う子どもたちが、どのようにボクシングと向き合っていくかを丹念に描いている。彼らの中には腕っ節の強さを発揮して華々しい成果を上げる者がいる一方で、才能は認められてもなんとなく続けられなくなってドロップアウトしてしまう者もいる。そんな彼らに一喜一憂させられる顧問の脇浜先生は武骨だが実に魅力的な人物だ。この人は教育論をぶったりしないのがいい。ただこういう個性的な教師は今の時代では存在を許されないんだろうなあ。2019/05/31

ランフランコ

5
定時制高校ボクシング部の熱血教師と愛すべきゴンタクレ達の青春を描くノンフィクション。ボクシング部顧問の脇浜先生からは一つのことに心血を注ぐことの尊さを教えられる。熱血であるが故、真剣であるが故、それしか無いが故、喜怒哀楽の振れ幅は恐ろしいまでにデカい。傷つき傷つけ生徒たちとの濃密な時間を過ごす。当然いい事ばかりでは無い。むしろ辛いことの方が遥かに多い。生き方自体にとんでもなくエネルギーがいるし、途方もなくしんどいと思う。しかし、その先には何ものにも代えがたい人の絆が出来ている。こんな子弟関係羨まし過ぎる。2018/12/28

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