内容説明
『凍える牙』で、読者に熱い共感を与えた女性刑事・音道貴子。彼女を主人公にした初の短編集。貴子自身がゴミ漁りストーカーに狙われて、気味悪い日々を過ごす「あなたの匂い」。ビジネスホテルで無理心中した老夫婦の、つらい過去を辿る表題作など6編。家族や自分の将来に不安を抱きつつも、捜査に追われる貴子の日常が細やかに描かれる。特別付録に「滝沢刑事と著者の架空対談」!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
473
『凍える牙』で名を馳せた音道貴子のその後を描くシリーズ第2段。今度は6つの短篇。短篇ということもあり、いずれも大事件ではなく、ごく身近な市井の事件を扱う。貴子像も同様に『凍える牙』の時ほどクールで孤独な存在ではない。相方の八十田ともそれなりにうまくいっているようだ。それはそれでいいのだが、なんだか日常的過ぎて物足りなくもある。ついつい、あの孤高の貴子を求めてしまうのだ。もちろん、警察の業務のほとんどはそうした日常的なものなのだろうが。篇中で、あの滝沢との邂逅が2度あるが、滝沢は相変わらず喰えないオヤジだ。2019/12/30
yoshida
234
「凍える牙」の主人公である音道貴子刑事の短編集。乃南アサさんは、登場人物の感情の描き方が丹念で巧みだと思う。「あなたの匂い」での犯人への嫌悪感もあるが、米屋の奥さんも隣人としては困るタイプ。「花散る頃の殺人」はやるせない。全うに生きてきた人々が病に倒れた末の救われない哀しさを感じる。感情描写では宮部みゆきさんの方が好みだが、乃南アサさんには劣らない良さがある。「凍える牙」で音道刑事が組んだ滝沢刑事も登場して嬉しい限り。これから順を追って読み進めたいシリーズ。「凍える牙」を越える作品に逢えるか期待が高まる。2017/10/17
さてさて
197
『毎日、何かしらの事件は起きるし、その都度、貴子たちは追いまくられるようにして犯罪と関わっているが、それが日常になってしまえば、特別な出来事というわけでもなくなってくる』。『何かしらの事件』が起こる日常に当たり前のように対峙していく主人公の貴子。この作品では、そんな貴子の刑事としての日常が描かれていました。愛車の『XJR1200』で道路を駆けていく貴子の姿がやはり様になるこの作品。前作の滝沢保のさりげない登場が嬉しくもなるこの作品。短編とは感じさせない、それぞれの物語の起承転結にも酔う、そんな作品でした。2026/04/08
ehirano1
126
付録の「滝沢刑事と著者の架空対談」を読みたいがためだけに購入しましたwww。そのかいあってか、付録は申し分なく、もっと対談のページを割いてほしいと思いつつも、短いからこそ逆に良いのかもしれないとも思ってしまいました。 本編はタイトルがウイットに富んでいてニヤッとさせられ(特に、「あなたの匂い」)、、音道刑事の日常が意外とフツウであったのが印象に残りました。2016/03/23
けい
104
女刑事音道貴子を描く短編集。彼女と彼女の周りの人々を中心に描いた作品で、事件もありますが少しゆるい感じの作品でした。それゆえに主人公をより身近に感じる事ができ、今後続くシリーズの中で登場してくる人物もいるのかなと想像しています。乃南さんと滝沢刑事との対談も巻末に掲載され、これからシリーズの展開により期待を持てる内容で、凍える牙とは違った面白さがありました。2014/02/20
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