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内容説明
一九九五年にドイツ各地で開かれた「国防軍の犯罪」展は激しい抗議運動を引き起こした。ナチスばかりでなく正規軍である国防軍も残虐な行為を行っていた事実に光が当てられたためである。「ドイツは自らの戦争責任を認め、謝罪してきた」と言われてきたが、それは正しいのだろうか。膨大な聞き取り調査を通じ、ドイツが冷戦構造の中で巧妙に論理のすり替えを行ってきたことを検証し、歴史と向き合うことの重さと意味を問う。
目次
序章 日独でちがうもの、おなじもの(ふたつの舌禍 ドイツ版“君が代論争”)
1 善いドイツ人と悪いドイツ人=DEトリック(旧ドイツ国防軍の暗部 トリックの仕掛け人 ほか)
2 忘れられた「戦争」の罪責=ABCトリック(ふたつの国際軍事裁判 すれちがう日独比較 ほか)
3 粉飾された国家像=ABC・DEトリック(トリック集大成―ヴァイツゼッカー演説 トリックからの決別―ヘルツォーク演説 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
23
日本人客が言うと語弊があるかもしれませんが、日独が大戦時にしたことはそもそも比較できる話ではないです。スケープゴートや東西対立を上手く活用し、自己欺瞞をしているのがドイツだと思います。ただ日本は問題ないということではなく、日本も軍部をスケープゴートにしていますが、国家指導者やミスリードした人たちを排除しきれなかったことがドイツと違う意味での欺瞞を引き起こしたようにも感じます。2023/11/25
Haruka Fukuhara
9
戦後ドイツの欺瞞。結局、何も反省してないという話。どうしてドイツがこんな風にふるまって誰も表立って反発せずにここまで来たのか不思議で仕方ない。トリックという言葉が多用されているけど、言葉のトリックに騙されるほど戦争の惨禍の記憶というのは儚いものだろうか。2017/06/02
孤独な読書人
8
「ドイツは第二次世界大戦の反省をしている、その責任も果たしている」このようなことを私たちは日本の戦争責任問題を批判する文脈で聞かされることがある。しかし本当にドイツは反省し責任を果たしているのか著者はそのように問う。そして本書ではドイツには清算されていない戦争責任があることを暴露していく。本書で重要なのは例えドイツに清算されていない戦争責任があるとしても日本の戦争責任が免責されるわけでもなければ相対化されるわけでもないという点である。2013/12/01
中島直人
8
東西冷戦という状況下、西側諸国にドイツを受け入れさせるため、悪いドイツ(ナチス)と良いドイツ(スポーツマンシップに則り正々堂々と戦った国防軍?)に分け、責任は全てナチスへ押し付けた。更に戦争犯罪をホロコーストに絞り、ユダヤ人迫害についてはスネに傷持つフランス、イタリアからの非難を抑制しつつ、最大の被害者である東欧については、冷戦中は鉄のカーテンの向こうで無視、冷戦後はEC加入をネタに批判を封じる。こう見るとドイツの狡猾さが目立つが、ロシアだけで少なくとも2000万という被害者数を鑑みると、まともに賠償など2012/01/31
讃壽鐵朗
5
何よりも、著者の問題追及心の強さに感激した2018/11/10
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