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内容説明
一度つくられた歴史観はなかなか変えられない。明治維新によって「近代国家」が形成される際に、薩摩藩・長州藩らの連合軍は、敵対する旧幕府・会津藩らに「朝敵」の呼び名を使い、国民感情を鼓舞する点で大きな効果をあげた。一方、京都守護職として御所の警備に当たっていた会津藩はいわれのない汚名を着せられたことになる。本書は、明治維新後一三〇年以上を経てもなお「朝敵」や「賊軍」という言葉が安易に使われている現実を直視し、維新前後の歴史事実をていねいに掘り起こすと同時に、日本近代史のよみなおしを迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
おMP夫人
10
正義の反対は「もうひとつの正義」でしかないのです。自分たちが正しい、相手は悪だ。お互いがそう思うから争いは起こるわけで。絶対的な正義なんて存在しないのに負けた側は悪とみなされ否定されるから、戦いが終わっても恨みが残る。戦争を後に語る上で、正義か悪かを論点に据えては根深い怨恨しか残らず、それは次の世代に残して良いものではありません。本書では戊辰戦争における悲惨で激烈な証言がいくつもが紹介されていますが、これは決して勝者を否定するためのものではなく、多角的で客観的な歴史を考えるための材料なのです。2013/01/14
たかむら
1
賊軍とされた会津を中心に、奥羽列藩同盟側から見た戊辰戦争を豊富な文献を引用して解説。特にテレビドラマや映画など、とかく薩長を中心とした側からの視点で描かれることがほとんどなので、本書のような視点での検証は重要と思う。賊軍とか朝敵とされた会津などの方々がどれほど苦労してきたのか、虐げられてきたのか。こういった側からの歴史についてもきちんと学ぶ必要があるのではないかと思った。惜しむらくは会津藩以外の話ももっと知りたかった。2013/09/14
ひかりパパ
1
歴史の解釈の難しさを感じた。明治維新の位置付けを再考する必要がある。 八重の桜を観ていて、戊辰戦争について再学習のため手にとった。「会津藩は朝敵」という汚名を返上したいという著者の熱意が伝わる。日本近代史の読み直しを迫る一冊。2013/07/19
おかリン
0
p019 実態に即して東軍は列藩同盟軍、西軍は薩長軍 薩長連合軍と呼ぶことにした。2025/10/31
cybertiger
0
本書は、大きく3つの柱で構成されている。 1.戊辰戦争において薩長軍が働いた残虐行為に対する告発。 2.薩長軍を、安易に官軍と呼び東北諸藩を賊軍と規定し東北における戊辰戦争を官軍と賊軍の争いとする事への異議申し立て。これは奥羽列藩同盟の見直しを迫ることにもつながる。 3.東北を安易に後進地域と見なす風潮が薩長中心の幕末維新史観に由来することを示唆、見直しを迫る。 我々は、幕末維新が切り捨てたものと真剣に向き合うべき時を迎えているのかもしれない。2023/01/18
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