中公新書<br> 東北-つくられた異境

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中公新書
東北-つくられた異境

  • 著者名:河西英通【著】
  • 価格 ¥814(本体¥740)
  • 中央公論新社(2013/11発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121015846

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内容説明

東北の歴史が脚光を浴びている。縄文時代のイメージを塗り替える考古学上の成果をはじめ、中世史から近現代史まで、新しいアプローチが始まっている。しかし、「遅れた東北」という見方はいまなお根強い。国民国家たらんとした近代日本は東北を辺境と位置づけ、後進性を強調しつづけた。東北はどう見られ、どう語られてきたのか。東北をめぐる膨大な言説を読み解き、「北」の視点から「多様な日本」を照らし出す新しい地域論。

目次

はじめに “東北”とはなにか
第1章 異境と桃源郷の間
第2章 「白河以北一山百文」
第3章 燃える東北主義
第4章 “東北”の生産
第5章 開発と差別
第6章 ナショナリズムとしての東北
終章 その先の“東北”論へ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きいち

12
江戸後期に奥羽を旅した菅江真澄の旅行記を読んでその土地の豊かさに驚いたのだが、自分がそんなに驚いてしまったその元々の東北の未開イメージの人工的な形成過程を冷静に追った一冊。偏ったイメージが現実に反映され、それがその先入観をさらに強化していく。しらずに引きずられている自分の脆弱さも思いしらされる。今もそこら中で案件問わず起こっていることだから、地域史の追求、意義深い。2012/10/28

さんつきくん

7
奥田英郎「オリンピックの身代金」の参考資料の欄に本書があったので、気になり読んで見た次第である。大学の教科書を読んでるかの様な独特の難しさでした。東北とは言うものの7割方、青森の話。明治時代、他地域から来た人々は東北人の貧しさに強烈な印象を受けます。戊辰戦争や冷害による飢饉が人々を飢えさせました。それを見た人達にとって東北は異境でした。当時の東北の知識者がどう考え、主張したかを当時の資料を踏まえ考察すると言うもの。「白河以北一山百文」の件の中で宮城を中心としたブロック紙河北新報が出てこなかったのも残念。2018/04/06

ヨシモト@更新の度にナイスつけるの止めてね

7
特に明治以降の中央(西側)の人間が伝えた東北の姿は、実際の観察の結果をも踏まえているとはいえ、のちのちの日本人にかなりネガティヴな印象を植え付けたのだろうな。それにしても、久しぶりに読むザ・新書だった。2015/07/04

V6_1800

6
新しい知識として得るものは多かった。自分は、静岡生まれの東京在住人としては一般より東北への理解が深いつもりだったが、知らないことばかりでちょっと恥じた。「その先の日本へ」は当時いいコピーだと思ったけど、言われてみれば確かに東北を日本以外の土地(異境)として捉えた表現だとは思った。ただ、この本に限らず東北関係の本には身贔屓になり過ぎているのでは?という部分もあり、そこは自分なりに消化する必要はあると思う。2020/08/19

marcy

5
関西育ちの私が就職するまでに出会った東北出身者はわずか1人。高校の修学旅行で初めて東北を訪れるも、地元の方々の言葉が全く聞き取れず、町の名は覚えていてもどこの県か結びつかないままだった。京阪神と東京以北の地域の間で人の移動や交流は乏しく、昭和、平成の世にしてなお、東北は西日本から遥か彼方という実感がある。それだけに、東北が負わされてきた様々なイメージを頭で理解するのが私には精一杯であろうと白状しておきたい。わかったフリなどしたくない。異なる気候風土と歴史を持つ異境には、知らないことがたくさんある。2020/08/18

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