岩波文庫<br> プラテーロとわたし

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岩波文庫
プラテーロとわたし

  • ISBN:9784003273319

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内容説明

真っ青な空と真っ白な家が目にいたいほど明るい,太陽の町モゲール.首都マドリードで健康をそこなったヒメーネス(1881-1958)は,アンダルシアの故郷の田園生活の中で,読書と瞑想と詩作に没頭した.月のように銀色の,やわらかい毛並みの驢馬プラテーロに優しく語りかけながら過ごした日々を,138編の散文詩に描き出す.

目次

目  次

 1 プラテーロ

 2 白 い 蝶

 3 夕暮れの遊び

 4 日  食

 5 おののき

 6 幼 児 園

 7 狂  人

 8 イスカリオテのユダ

 9 いちじく

 10 アンジェラスの鐘が鳴る!

 11 家畜捨て場

 12 と  げ

 13 燕

 14 馬  屋

 15 去勢された子馬

 16 向かいの家

 17 白痴の子

 18 お 化 け

 19 えんじ色の風景

 20 お う む

 21 屋上テラス

 22 引き返す

 23 閉ざされた鉄柵の門

 24 司祭ドン・ホセ

 25 春

 26 天水溜め

 27 疥癬やみの犬

 28 淵

 29 四月の牧歌

 30 カナリアがにげた

 31 悪  魔

 32 自  由

 33 流浪の人たち

 34 恋 び と

 35 蛭

 36 三人のおばあさん

 37 荷  車

 38 パ  ン

 39 輝きの女神アグライアー

 40 いただきの松の木

 41 ダルボーン

 42 こどもと水

 43 友  情

 44 子守りむすめ

 45 裏庭の木

 46 結核の少女

 47 エル・ロシーオの聖母祭り

 48 ロンサール

 49 のぞき眼鏡のおじさん

 50 道ばたの花

 51 ロ ー ル

 52 井  戸

 53 あ ん ず

 54 けとばされる

 55 アスノグラフィーア

 56 聖体の祝日

 57 散  歩

 58 闘  鶏

 59 夕 暮 れ

 60 スタンプ

 61 子を産んだ犬

 62 彼女とわたしたち

 63 雀

 64 フラスコ・ベレス

 65 夏

 66 山 火 事

 67 小  川

 68 日 曜 日

 69 こおろぎの歌

 70 闘  牛

 71 あ ら し

 72 ぶどうの収穫

 73 夜 想 曲

 74 サリート

 75 午睡の終る季節

 76 花  火

 77 百 花 園

 78 月

 79 にぎやか

 80 鴨が渡る

 81 幼  女

 82 牧  童

 83 カナリアが死んだ

 84 丘

 85 秋

 86 つながれた犬

 87 ギリシア亀

 88 十月の午後

 89 アントーニア

 90 摘みのこしのぶどう

 91 アルミランテ

 92 唐草飾り

 93 魚のうろこ

 94 ピニート

 95 川

 96 ざ く ろ

 97 古い墓地

 98 リピアーニ

 99 お 城

 100 昔の闘牛場

 101 こ だ ま

 102 おどろき

 103 古 い 泉

 104 道

 105 松 の 実

 106 放 れ 牛

 107 十一月の牧歌

 108 白い雌馬

 109 再婚祝いのお祭りさわぎ

 110 ジプシーたち

 111 炎

 112 回 復 期

 113 老いた驢馬

 114 夜 明 け

 115 小さな花々

 116 クリスマス

 117 川岸通り

 118 冬

 119 驢馬の乳

 120 澄みわたる夜

 121 パセリの冠

 122 御公現の祝日

 123 モンス・ウリウム

 124 ぶどう酒

 125 寓  話

 126 カーニバル

 127 レオーン

 128 風 車 小 屋

 129 教会の塔

 130 砂売りの驢馬たち

 131 マドリガル

 132 死

 133 ノスタルジア

 134 木挽き台

 135 憂  愁

 136 モゲールの空にいるプラテーロへ

 137 ボール紙のプラテーロ

 138 ふるさとの土にねむるプラテーロへ
   解  説
   地  図
   訳  注

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

169
ねえ、プラテーロ。美しいものを見たとき、思わずそう口ずさみたくなる。濃紫の夜のとばり。アンジェラスの鐘と降りしきるとりどりの薔薇。しおれた月下香(ナルド)の花の肌の、南の空へ向かう天使。夜露が白く光る小道、月とリラの花、星空をやどした水… 世界は美しくて。諍いも、死すらも、包むようで。いつくしみに満ちた、世界。世界があまりにもやさしくて美しいから、少しだけ、少しだけ泣きたい。2019/11/24

南北

46
青い空と白い家がまぶしいスペインのアンダルシア地方の町モゲールを舞台に詩人の著者がロバのプラテーロに優しく語りかける散文詩。明るい自然環境とは対照的な物悲しい話が優しい気持ちを誘う。1編1編がどれも2ページほどで読みやすい。2022/02/19

NAO

43
マドリードから故郷のアンダルシアに戻り、静かな療養生活を送ったヒメーネスは、ろばのプラテーロとともに故郷での生活を楽しみながら、やさしいまなざしで故郷の情景を眺め、叙情豊かな散文詩を次々と書き上げた。明るく穏やかな田園生活、元気な子どもたち、動物たちとその死、病気の人々、流浪のジプシー、火事、あらし。ヒメーネスは、それらを詩人独特のまなざしで眺め、深く思考し、ユーモアに富んだ透明感あふれる言葉にしてプラテーロに語りかけている。それは、自然への讃歌であり、彼自身の心象風景でもある。2015/11/28

弟子迷人

34
最初の方だけ読んで、うっとりしてしまい、もったいなくて最後まで読みとおさず、とっておく……というパターンでした。「ペットロス文学」だったとは知らず……、あの美しさに、悲しみが隠れていたとは……。動物文学の最高峰のひとつだとは思っていましたが、ちゃんと最後まで読んでみます。>< niamさん、ご紹介ありがとうございました。2016/01/24

アムリタ

16
これを読む多くの人は「わたし」のプラテーロへの深い愛情だとかアンダルシアの美しい田舎町の様子ばかりを語る。光に彩られた半分のもう半分は見えにくいからだろう。でも、これはエレジー(哀歌)であるとヒメーネス自身も言っている。 光が強い分、闇もまた深い。ヒメーネスは精神を病み、療養している時期でもある。だからこそ、小さきもの、弱き者、名もなき者たちへとまなざしは向かう。そして、決して語られない家族のこと。語られぬものこそ、語りたくとも言葉にならないもの。それはプラテーロへの語りかけの内にそっと織り込まれている。2022/04/26

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