内容説明
「勝負と日常を同じレベルに保て」「プレッシャーは技術だけでは乗り越えられない」「教わったことではなく、自分の考えを記憶する」「礼儀やルールを守らないと、絶対に強くなれない」など、将棋界の「関西の雄」として第一線で活躍を続けるトップ棋士が初めて明かす「集中力」育成の極意! 最年少での名人位奪取やライバル・羽生善治との死闘、無冠からの復活など、数々の激闘を制したパワーの源を探る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジェンダー
56
将棋や囲碁と言うのは小さい子でも実力次第でどんどん上に上がれる。ただ年齢制限があった方が良いような気がするけれどその分アマからプロへ行きたいという人達の障壁になっているような気がします。一度プロになったら特に年齢制限もなく長くやれるので30歳制限にしても良いような気がします。長く勝ち続ける為には集中力閃き、また人間性も問われると思うけれど、年上から学べる事もあるけれど逆に悪い事も学んでしまう可能性があると思う。著者をこの本で初めて知ったけれど常に前向きに将棋が好きで自分の内面を知り打っている気がします。2014/07/31
びす男
49
帰省の折、父親の本棚から勝手に拝借。勝負の世界に身を置く一流棋士の考え、感性が記されている。こんなに良い本なら、薦めてくれれば良かったのに■勝負に必要な力として、集中力のほかに思考力、記憶力、気力を挙げ、バランスよく言及している。特効薬はない、という姿勢がよく伝わる。「これさえあれば」という甘えは、かえって致命傷のもとになる。総合的に自分を伸ばそうとする意識が必要なんだ■「思考とは結果を導き出さなければ、ただの時間の無駄遣いでしかない」など、貴重な心構えの数々が読み取れた。刺激と学ぶことの多い良書である。2020/01/16
ワッピー
27
将棋にはまったく縁もなく、集中力もないワッピーですが、タイトルに惹かれて手に取りました。谷川名人の将棋人生を追いながら、努力と才能の関係、勝負の最中のモードの切り替えと「焦らない、諦めない」ことの大事さ、変化の早い将棋界にあって、「常識は過去のもの」となるため、現状に満足をして冒険をしなくなると勝てなくなること、さらに小さい頃にほめられてばかりの「良い子」は大人の気持ちに合わせるために自分の欲求を押さえて歪んでしまうことなど、示唆的な内容を堪能。才能より先に努力が必要ということも耳に痛い話でした。2019/05/14
Kaz
20
勝っているときに新しいことに挑戦する。好調な時に自分を変えようとする。なかなか勇気のいることですが、一流と言われる人たちは、みな同じような試みをされています。本書は、羽生さんの「大局観」の後に読んだのですが、同じ内容でも語り手によって違うということが良く分かり、興味深かったです。2015/05/25
kawa
18
10年前の本。知らなかった棋士の世界が知れてグッド。プロ棋士に意味のない一手はないのでしょうが、本書も1ページ1ページが濃密で凄い。軽く一読のつもりの私にはちょっとオーバーフローか、必要とする人が時間をかけてじっくり精読する本です。順風満帆に見えた棋士人生、ご本人にして見ればそうでもないよう。今回の将棋ソフト不正利用冤罪事件もご自身の成長の肥やしにして、更にスケールアップするのでしょうね。2017/02/27