内容説明
1980年代の初め、日米貿易摩擦の緊張が高まるなか、トヨタは決断を迫られていた。日本のローカルメーカーで終わるか? 米国に進出するか? 世界一の自動車メーカー、GMも、小型車の開発で頭を痛めていた。トヨタとGMが生き残る道は、合従連衡しかない。私心を捨て、極秘で動くひとりの男。トヨタは、GMをパートナーに選び、米国で小型車の共同生産を決断した。そして、それは「トヨタ一人勝ち」の始まりだった。ビジネス・ノンフィクションの傑作。
目次
第1章 それぞれの葛藤
第2章 助走
第3章 遙かな坂道
第4章 駆け引き
第5章 シナリオ
第6章 土壇場の混乱
第7章 未知との遭遇
第8章 カリフォルニアの青い空
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雲をみるひと
23
1970年代から80年代にかけてのトヨタとGMの丁寧に関するノンフィクション。特定の人物に丁寧に取材しているのはわかるが、メーカー、企業としての意思決定過程にあまり触れられておらずあくまでマスコミ視点のように感じた。とは言え、当時自動車業界にどのようなキーマンがおり、どのようなことが起こったのかはよくわかる。業界地図が大きく塗り替えられた今となっては貴重な一冊かもしれない。2024/04/30
晴天
1
巻末に著者の取材姿勢についての解説があり、「メモを取ったら相手に主導権をとられる(のでどんなに夜遅くてもその日のうちに1日の取材ノートをつける)」「部屋まで行くと主導権は相手にあるがロビーで待ち伏せすればこちらが主導権をとれる」などとにかく取材対象への主導権にこだわっており、その上で毎日待ち伏せして最低限、顔色や機嫌の善し悪しを伺う執念深い姿勢にプロ根性を見たが、なんらかの話題の人物になって取材されたくはないと思った。2019/04/09
笠井康平
0
米国伊藤忠の立ち回りかっこいい2015/08/25
k
0
80年代の初め米国進出を模索していたトヨタが辿った国際企業への道のり。自動車史の重要な出来事だったとともに、読み物としても優れていると思います。あとがきにかえての佐藤氏の取材方法に対する記述も必読。2012/07/09