内容説明
カゼをひけば内科にかかり、ケガをすれば外科へ行く。自分の命を守る上で当然の選択である。同様に、死者の生前の人権を守るためには、死体所見に精通した監察医にまかせるべきである。死後も名医にかからなければならない……。（あとがきより） 医学博士で変死体解剖34年の経験を持つ著者が、下山国鉄総裁轢断事件から酒鬼薔薇（さかきばら）事件まで犯人と被害者しか知らない真実に迫る。
目次
逆さの視点―死から生を見る
いのち
性犯罪
決め手に欠ける法医学
有罪
首なし事件
ベロ毒素
安楽死
宇宙人解剖
誤原病〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nyaoko
68
「死体は語る」と内容が重複する話も結構あったけど、それでも良かった。腹上死のくだりを読んで「ほうほう」となり、面白くて、隣にいた夫に語ってあげたら、上野センセイと同じ事を言った。「古女房が1番やな！」お前が言うな2018/05/17
thee birdmen
27
監察医の仕事を知るきっかけにはピッタリの本だと思う。 でもまぁ、さすがに平成１３年発行ということで古い本だな…というのが第一印象。 解剖学や法医学の世界がこの本を書いた時点から現代まででどれほどに進歩したのか、はたまたしていないのか、途中からそっちの方に興味が移ってしまっていた。2019/05/19
James Hayashi
23
著者の関連本を何冊か読んでいるが、また違った感銘を受けた。法医学などこれからさらに研究が進めば、冤罪がさらに少なくなると思う。他殺の証拠も判然とするだろう。 著者が言われている通り、性犯罪者は裁くだけでは繰り返されるばかり。GPSをつけるか、去勢させるか、薬物注射etc。2020/10/05
ヨーコ・オクダ
21
やっぱり、これまでの著書の内容とダブってるところがちょこちょこアリwでも、そのおかげでこちらが深く考えることに繋がるのかな、と。臨床医にしろ、法医学のセンセにしろ、経験と研究を日々積み重ねていくことが大事。その診断、判断によって、患者、死者、犯人、家族等々のその後を大きく変える可能性があるわけで…。そして、上野センセの本を読んで初めて知ったのが、役所の戸籍係の重要性！本来、警察に届けなければいけないケースであるとちゃんと判断して、死亡診断書を突き返せるかどうか。意外と責任重大よねー。2018/10/27
明るい果物
7
腹上死は本当にしたくないな…と思いました。「空腹になったり、眠くなったりする人間の行動は、実は個々の細胞が欲求しているからで、これを満足させるために、主は行動しているようなものである。だから細胞が欲求しないのに、暴飲暴食をすれば、腹痛を起こしたり、嘔吐したり、下痢したりする。」寝たいときに寝て、食べたいときに食べたほうがいいのかね。2016/03/22
