内容説明
日本国民全員を誘拐した。身代金五千億円を支払え、という電話が首相官邸に入った。三日後、新宿の喫茶店で、シュガー・ポットに混入された青酸カリが原因で、若いカップルが死んだ。犯人からの電話で、二人は人質として殺されたことが判明。その後も、北海道、九州で無差別殺人が続発する。犯人の目的は? 発表時、一大センセーションを巻き起こした、三百作に及ぶ西村京太郎作品群中の屈指の名作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ばりぼー
34
35、6年ぶりの再読。ブルーライオンズと名乗る犯人グループが、日本国民1億2千万人を誘拐したと宣告し、身代金として年間の防衛費にあたる5000億円を要求。その後、日本各地で無差別殺人が続発する…奇想天外というか荒唐無稽と紙一重の着想ですが、発表当時はこの作品と類似した「毒入りコーラ事件」なども起こり、かなり話題になりました。犯人グループがIQ140以上の天才集団の割には、自分達の計画の欠陥に気付かないトホホな面もありますが、初期の西村京太郎氏の実力を証明する傑作だと思います。再読でも十分楽しめました。2014/03/31
緋莢
13
「日本国民一億二千万人を誘拐した。身代金五千億円を支払え」首相公邸に入った一本の電話。当初はイタズラとしか思われなかったが、三日後、新宿の喫茶店で若いカップルが死亡した事で状況が一変する。死因はシュガー・ポットに入れられた青酸カリ、つまり無差別殺人だった。たまたま事件の現場に居合わせた探偵の左文字進は、旧知の刑事・矢部に請われ、捜査に関わるが・・・2016/02/13
寿々喜節句
7
日本国民を誘拐するという大胆な発想と大胆な身代金。捜査や推理に突飛な部分はあるけれど、終焉に向かう流れはスムーズで盲点。綾辻が傑作といっただけある。2018/04/28
popo
5
面白い誘拐の仕方だわ。 これは前代未聞!! 確かにこれやられたら犯人の特定は難しいし、お金も要求できるわな。 ただやはり、天才の集まりは、プライドが邪魔することがあるんだね。 事件としては、とても面白かったが、あと100ページくらい完結にはたらないんじゃないの??って尾張方でした。2018/09/21
かのこ
3
日本国民全員を誘拐した。発想は斬新で、どうなるんだろうと思ったけど、犯人にたどり着くまでの推理が単純すぎ、犯人の動機がいまいちわかりづらく、犯罪小説として成り立っているのか疑問。天下の西村京太郎先生、本当はこんなもんじゃないんですよね?2016/05/07




