内容説明
清水市の三保の松原の砂地で船越広勝の死体が発見された。死因は一酸化炭素中毒。船越は旅行会社社長の四十二歳、二年前、バーに勤める玲美を入籍したが、実際は先妻の寿子の同意を得ないで離婚届を出しただけの重婚であった。玲美には恋人がおり、また寿子には船越の生命保険という動機があった。しかし、犯行時間のアリバイは二人ともに崩せない―(「重婚」)。ほかに六篇を収めた会心の推理小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MIKETOM
7
岡嶋二人『あした天気にしておくれ』が乱歩賞を逃した理由は、メイントリックが他作品に既にあるからというもの。というわけで、その他作品が収録されているのが本書『五千万円すった男』。誘拐された人質の身代金の奇想天外な受け渡し方法が被ったわけだ。ただしまあ、本書は(短編ってこともあり)トリックはこれ一本なのに対し、岡島作品は様々な要素が絡み合っており、このトリックはその一つ。個人的には別作品としてもいいと思った。全七編のうち女が人殺しなのが三つ(&未遂が一つ)。女流作家のほうが女に辛辣だったりする。2020/10/27
Satoko Asano
1
短編推理小説集。面白かった。2015/11/05
バナナチョコ
0
すごい、一人目の登録だ(笑) 夏樹さんの短篇好きです。ただ、女性が毎回怖くなる作品が多いです。2013/10/26