内容説明
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竹中直人、樋口加南子主演で好評をよんだ「竹中直人の会」第7回公演(1998)「水の戯れ」の脚本の単行本化。仕立屋を営む未だ独身の中年男。男は、死んだ弟の妻だった女性に思いを寄せる。仕立屋の恋はどうなるのか。
岩松了はいう。これは今日的メロドラマだ!
「だったら、好きだって感情は、いつ、どうやって生まれるの?」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アマニョッキ
49
大好きな岩松了さんの戯曲。竹中直人の会はいくつか観ているが、あの頃はすべての作品の作演出が岩松さんだとは全く知らなかった。煙にまかれたまま終わるような作品が多かったような覚えがあるが、この作品はわりとラストがくっきりしている。確かに明子(樋口可南子)みたいな女性を妻にしたら、いらぬ心配しどおしだよな。一見なにも起こっていないかのような日常こそが葛藤と激情に溢れているというお話。舞台観たかったなー。再演しないかなー。2017/11/23
あなた
9
『ワーニャおじさん』は「休むということ」がはじめてドラマとして演じられたのだ、と岩松了がいったときに本当にこの人は凄いことをいうひとだなあとつくづく思った。ただし、「休閑」は確かにチェーホフ的主題でありつつ、同時に岩松的主題でもある。何も起こらないことがドラマであり、起こしえない葛藤という葛藤こそが何よりも劇的なのである。春樹は「思い」をとげるも、「想い」は遂げられない。そこで過激かつ劇的な「休息」が入り込んでくる。わたしたちは意味づけすらもおぼつかないほどにそれはあまりに急速な出来事だ。(コメに続2010/07/12
法水
2
先日、16年ぶりの再演を観て、ラストの銃撃がいかにも唐突に感じたので改めて戯曲を読んでみた。『ワーニャ伯父さん』を意識しているということは分かったが、やはり唐突なものは唐突なまま(笑)。冒頭に出てくる「誤解されない人間がどこにいるんだよ」という春樹の台詞がこの悲劇のすべてを語っているのかも知れない。竹中直人の会で初演された際の写真も掲載(ヒロインは樋口可南子さん)。2014/11/27
あなた
1
最近ひとから真剣に嫌われることがあってふっとこの台詞を思い出した。「どうしてひとは一生懸命になるんでしょう、いつかしぬのに。何を忘れようとしてるんでしょう。僕のことを嫌いだって言うんです。そのことがなんか、とても正しいことのようなきがして。その正しさに僕は心をうたれるんです。いや。ほんとに」尾美としのりさんが口にしたセリフなんだけどいいセリフだよなあって思う。でもひとって正しく好かれたり正しく嫌われたりするんですよね。ちなみにこの本は、好きだって感情は、いつ、どうやって生まれるの、について書かれたほんです2021/12/01
glen
0
人の機微が良かった。2016/01/31
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