内容説明
明治36年荷風24歳から明治40年28歳まで4年間のアメリカ見聞記を24篇の小説に収める。渡航中の情景を描いた「船房夜話」、癲狂院に収容された日本人出稼ぎ労働者の無惨な話「牧場の道」など。異国の風物に対峙した荷風の孤独感、鋭い感性と批評精神溢れる新鮮な感慨は、閉塞した時代に憧憬と衝撃を与えた。『ふらんす物語』と併称される初期代表作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ムー
4
昔のアメリカの情景をよく描いている。日本人の出稼ぎも当然あり、今もそうだが治安、環境は相当悪くその中で当時米本土に渡った日本人は相当苦労しただろうと思える。色んな事があった荷風の旅行記、面白かった。2018/09/25
あや
2
短編ばかりなので読みやすかった。癩病院の話が最初の方にあっていきなりハード。1つ1つが短いため、記憶に残っているのは数編といったところ。恋愛の話が比較的面白かった。2018/09/26
しゅんどーん
1
明治後期の猥雑なアメリカで永井が出会った男たち女たちの波瀾万丈の身の上話。他人の日記を盗み読む面白さ。2018/11/29
ほたぴょん
1
今日、荷風を読もうと思ったらまず手に入りやすいのは『ボク東奇譚』だろう。他にも後年の作品ほど読む機会があるように思うが、そこでの荷風の作風とはまた違う一面が見られて面白かった。アメリカ遊学中に体験した話や人づてに聞いた話などをまとめているが、あまり作家としての我を出していない。それでいて、どういったところに興味を感じているかは、後年の荷風と共通するところが見られる。しかし、開国から30年余りのこの時期、当時のアメリカには現代の我々が想像するよりも多くの日本人がわたっていたんだなあ、と素朴に驚いた。2018/04/11
わたなべ
0
良い話も2015/08/08