内容説明
ボクシング、フライ級4回戦。対戦中のボクサー二人が、青酸中毒で相次いで倒れ、死亡した。編集者の福永麻沙美は、週刊誌記者の中江聡介、ボクシング評論家の八田芳樹と真相を追い始める。リングの上で堂々と二十殺人をやってのけたトリックは? そして動機は? 二転三転する事件の陰に巧妙に身を隠す意外な真犯人とは? 岡嶋前半期の『タイトルマッチ』にも通じる、ボクシングを舞台とした傑作長編ミステリー。1987年刊行。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒロ
50
《あらすじ》対戦中のボクサー二人がリング上で毒殺された。スポーツ記事の記者とボクシング評論家がタッグを組み謎に挑む。《感想》今作はかなり劣悪な環境で書かれた作品のようで、作者も『7ヶ月もかけて僕たちは最低の作品を書いた』と言っている。伏線回収が雑、因果関係のこじつけが酷い、作品の焦点が定まってないなどミステリとしては全体的に粗さが目立つ。しかし流石の岡島二人。圧倒的文章力。引き込まれてあっという間の読了でした。岡島二人ファンは読んどいて損はないです。ちなみに「おかしな二人」に事の顛末が載ってるらしいです。2020/04/27
背番号10@せばてん。
16
2011年8月2日読了。岡嶋氏の作品の中では、プチ微妙…。2011/08/02
coco夏ko10角
7
執筆者の井上さんがあれこれ言ってるだけあって岡嶋二人作品の中では微妙な方かな。でもそれも岡嶋さんだから、って感じで無名の人だったらなんでもないレベル。犯人は分かりやすかった。ボクシングに関しては基本ルールすら知らないので読む前はその点をちょっと心配してたけど全く問題なかった。2013/04/16
頭無
5
オカジマフタリ18戦目。テーマはボクシング。試合中に二人とも倒れ青酸性の毒により死亡。なぜ試合中だったのか、八百長、謎の女、1人多いスタッフ、脅迫。入りの引き込まれ感は良い。テンポの良さも文句なし。反面全体的に強引&雑。総評としてはとにかくテンポが抜群に良いのでそれなりに楽しめたです。誤植(106頁)。八田が見返したのは中江ではなく染谷。戦績「GⅡ3着。18戦8勝。8730」2022/02/12
誰も悪くないこれは悲劇や
4
岡嶋二人ほどのビッグネームともなれば、駄作もまた価値がある。作者本人に「最低の作品」と太鼓判を押された出来の程は確かに大変アレで、「試合中のボクサーの青酸中毒死」という魅力的なシチュエーションが、特に本題と関係のない脅迫騒動で逸れまくり、結局、その当初の謎さえなんかふわっとした説明で流されるというとっちらかりっぷり。ただ、恐ろしいことに、それほどの不出来にもかかわらず、本作はおもしろいし、読んでいて楽しい…。素材が不味いからこそ、岡嶋二人という作家の筆さばきの巧みさのみを抽出し、測ることのできる一作。2017/10/13