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内容説明
日本企業は二度の石油ショック、ニクソン・ショック、円高などを克服し、強い競争力を作り上げてきた。日本企業に比較優位をもたらしたのは組織的知識構造をコアとする労働スタイルにあった。それは個別的な直感=暗黙知を形式知化して組織全体のものにし、製品やサービス、業務システムに具体化していく組織の運動能力をさす。いくつもの優良企業のケーススタディをもとに知識創造と知識資産活用の能力を軸として、大転換を迫られている日本的経営の未来を探る。
目次
第1章 情報から知識へ
第2章 21世紀の経営革命
第3章 第五の経営資源
第4章 「場」をデザインする
第5章 成長戦略エンジン
第6章 創造パラダイムの経営
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
50
経営学としてのここに書いてある考え方は、15年以上も前にかかれたものとは思われますが、決して今でも古くなっているとは感じません。「形式知」や「暗黙知」についての考え方というのは現在も厳然として存在しています。ただ少し不満なのはもう少し実例を入れていただきたかった、という気がしています。しかしながら新書でこれくらいの内容が収められているのはほかにはあまりないと感じています。2015/06/17
Kiyoshi Utsugi
21
1999年に出版されたもので、かなり古いものです。これを図書館で借りて読んでみたのは、「トヨタやホンダ、花王、富士通、富士ゼロックスなど優良企業のケース・スタディをもとに」と日本の企業が目白押しであったため。 なお、本書では知識経営とはナレッジマネジメントの本質であり、組織の知識創造とその知識資産から成る、21世紀の経営パラダイムとしています。2020/08/15
おめな
7
仕事の関連読書。以前より著者は知っていたのだが、著書を読む機会がなくやっと読む必要性が出てきて手に取った。狭義のナレッジマネジメントではなく広義の「知識経営」とは何か?そこには暗黙知と形式知が存在し、相互作用によって知識経営または知識創造のプロセスが行われるというもの。いっとき、外資系企業の人気がでて形式知だけが重要視されていたが、日本では昔から職人がいてその人から技を盗むことが暗黙知とされ、それを軽視してはいけない。どんな分野であれこの両方の知を持って新たな価値が生まれるなどのはなし。2018/03/05
おくてつ
5
アジャイルの本を読んだ後、野中先生の本も積読であったなと思い出して読んだ一冊。数年前、社員の意識変革の必要性を説く上司が課題図書として挙げた一冊。 1999年の発行。出てくる固有名詞やネット社会の進み具合とかからはちょっと古い話かと感じさせたりもしますが、製造業から知識産業に主役が移るという予想はそうなったりして、古くても新しい。 暗黙知を形式知に変える場をどうデザインするかですね。2020/08/16
Keycy
5
12年も前に書かれていますが、古さを感じさせない内容でした。暗黙知を出来る限り形式知にして組織共有し価値創造へ結びつける。創造させる「場」の考え方、作り方についてもメモメモ。知識製造業について書かれていましたが、12年たっている今直面していることでした。2012/01/09