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内容説明
16世紀のオーストリアの小村に,ある日忽然と美少年が現れた.名をサタンといった.村の3人の少年は,彼の巧みな語り口にのせられて不思議な世界へ入りこむ…作者は,アメリカの楽天主義を代表する作家だといわれるが,この作品は彼の全く別の一面-人間不信とペシミズムに彩られ,奇妙に人を惹きつける.(解説=亀井俊介)(改版)
目次
目 次
不思議な少年
訳者あとがき
解説(亀井俊介)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
410
アメリカ南部ミシシッピ流域を描く作家、マーク・トウェイン。そこにはいつも南部の陽光が溢れているのだが、本書はそうした作家像からは大きく違っている。何よりもアメリカ南部に特有の明るさはなく(そう『トム・ソーヤー』や『ハックルベリィ・フィン』のあれだ)、全篇がペシミズムに覆われている。宗教的にも反カトリシズムが濃厚だ。マーク・トウェイン最晩年の作品らしいのだが、彼が至りついたのはこうした境地だったのだろうか。なお、原作は編集者によって大幅に改変が加えられているらしい。アメリカの未来を予見する書と言うべきか。2017/04/12
KAZOO
116
マーク・トウェインというとトム・ソーヤーとかハックルベリ・フィンを思い起こします。またアメリカ南部の明るい日光のしたの情景を思い浮かべます。がこのような小説があったとは思いませんでした。どちらかというとアメリカではなく中世のオーストリアなのでしょうが宗教的な慣習が色濃く残る村での出来事です。悪意があるような性悪説のような世界での少年の周りで起きることを描いています。このような小説をえがいたのが、マーク・トウェインだということがひとつの驚きです。2015/07/15
アナーキー靴下
108
【マーク・トウェイン誕生日読書会’21】読むときの状況や心持ちで印象が変わりそうな、いろいろな捉え方ができそうな話だった。人間の良心を徹底的にこき下ろす、不思議な少年サタン。良心、私もその言葉を盲信していた。でも過ちを犯して悔やんだり、誰かより恵まれていることにやましさを感じたり、そんなときに良心が顔を出すのだと気付かされた。人間に良心が宿る前、善悪を知らぬ無限の可能性である子供時代は皆、不思議な少年であるのかもしれない。天使のサタンは人間である主人公に無配慮で、別れも唐突だが、神も天使も人間の思惟か。2021/11/19
jam
104
天使と名乗る全能の美しい少年「サタン」が、世界の不条理を少年テオドールに突きつける本作は、「トム・ソーヤーの冒険」の著者、晩年の作である。サタンは言う「人は良心を持つから悪が存在する」と。神の視点を持つサタンとテオドールの問答には絶望と希望が交錯し、老いという喪失のなか希望の欠片を探す作者の煩悶を見る。同名の山下和美描く作品では、不思議な少年は天使のように人の心を慰撫する。だが、その少年はサタンの双子の片割れか落し子なのだとも思う。永遠を生きる少年は神か悪魔か。世界は少年が見る夢か老人が見る夢か。2016/09/27
はたっぴ
99
少年の前に突如現れた美少年サタン。彼の悪魔のような容赦ない言動に戸惑いを感じながらも、心の奥底に淀む言葉にならない感情が反応して強く引き込まれた。サタンになりすまし、徹底的に人間を見下し蹴散らしておいて〝人生は幻〟と言い放つ姿は『トム・ソーヤの冒険』の著者とは重ならない。もしくはサタンを改心させようとする少年(人間)の側に立っているのだろうか。心の葛藤を時折ユーモアで包んだこの作品に深く共鳴しながら読了。とても有意義な読書だった。この流れで積読している『人間とは何か』を読んでみたい。【G1000】2017/12/17
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