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内容説明
「人間は考える葦である」という言葉で有名な『パンセ』の作者パスカルは、天才的数学者、厳密な実験物理学者としても知られている。とりわけ十七世紀までヨーロッパ自然学の大前提であった〈真空不可能〉説を打ち破る大実験を行い、揺るぎない理論を提出したことで名高い。しかしそこには、謎めいた印象が否めない。パスカルは本当に実験したのか。彼の物理論文には、『パンセ』と同じ文学作品としての仕掛けを読み取るべきではないか。
目次
第1部 「実験科学者パスカル」の成立(風船の実験よ、お前もか!;定説が描き出す「実験科学者パスカル」の像 ほか)
第2部 「トリチェリの実験」の伝わりかた(パスカルが「イタリアの実験」を再現するまで;イタリアとフランスの事情 ほか)
第3部 ルアンでの大公開実験(ガラス工場での大公開実験;証言の信憑性 ほか)
第4部 『真空に関する新実験』にはしかけがいっぱい(サイフォンという実験用具;綱を使う実験 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
黒い森会長
2
1999年12月刊。最初期の実験科学者と思われているパスカルの論文が、実は仮想実験の報告だった、という説を述べた本。最初の論文「真空に関する新実験」を詳細に分析して、架空実験かもしれないと説いている。ただ、科学史に興味がないと、読むのは辛い。ただ、17世紀の科学者たちは手紙で、理論や実験報告をやり取りしていたこと。真空の問題は、パスカルよりトリチェリの実験の方が本質をとらえていたとか、いろいろ面白い部分はある。2022/04/22
いちはじめ
0
パスカルの業績のひとつ、風船の実験は実際にやってないのではないかという話。今となっては真相は判らないが、なかなか説得力のある論考1999/12/20
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