内容説明
平泉で黄金伝説の取材中、藤原三代を支えた金鉱脈の新説を偶然耳にした新聞記者・吉川小百合。スクープに胸躍らせ現場を訪れたが、そこには黄金ならぬ女性の死体が…!“定説”に隠された真相に現代の事件を絡め、独自の史観で描く歴史推理。
感想・レビュー
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TheWho
11
「史跡とロマン」と云う新聞コラムを担当する女性記者を主人公に、鳥羽伏見に翔れられた錦の御旗の謎、神風が無かった元寇・文永の役の謎、川中島の戦いの真相、そして奥州平泉政権の黄金の謎と云うモチーフで取材中に遭遇した殺人事件を綴った4編の歴史ミステリー。錦の御旗は偽物だったとか、文永の役で元軍が撤退したのは、神風ではなく、志賀島近辺の住民の攻撃が原因だった、第4次川中島の戦いで、信玄軍と謙信軍が激突したのは、偶然だった等とか新説ではないが、歴史の真相を真摯に追究した1冊です。2019/10/19