創元推理文庫<br> 双頭の悪魔

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創元推理文庫
双頭の悪魔

  • 著者名:有栖川有栖【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 東京創元社(2012/04発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488414030

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内容説明

娘を連れ戻してほしいのです――山間の過疎地で孤立する芸術家のコミュニティ、木更村に入ったまま戻らないマリアを案じる有馬氏。要請に応えて英都大学推理小説研究会の面々は四国へ渡る。かたくなに干渉を拒む木更村住民の態度に業を煮やし、大雨を衝いて潜入を決行。接触に成功して目的を半ば達成したかに思えた矢先、架橋が落ちて木更村は陸の孤島と化す。芸術家たちと共に進退きわまった江神・マリア、夏森村に足止めされたアリスたち――双方が殺人事件に巻き込まれ、川の両側で真相究明が始まる。読者への挑戦が三度添えられた、犯人当て(フーダニット)の限界に挑む大作。妙なる本格ミステリの香気、有栖川有栖の真髄ここにあり。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

648
新本格というジャンルの中でも三本の指に入るお気に入り。作家アリスシリーズに欠けているピースがあるとすれば『双頭の悪魔』こそがソレなのだと思う。好きなものを突き詰めて、もっと遠くへ、という野心で一杯の作品だ。個々の事件のロジックを見れば、割とストレートだが、最後の挑戦状にあるように、全体の構図に関しては発想の飛躍が必要。ソコが上手く決まっているので気持ち良い。マリアとアリスが交互に語り手を担う構成も長さを感じさせない一要因。五作完結予定のシリーズ三作目でこんなに盛り上げて大丈夫?というのが不満ではなく不安。2016/11/20

射手座の天使あきちゃん

348
有栖川有栖さん いわずと知れた推理小説の名手にして、王道の推理小説(主人公は謎を解く探偵または類似する人物、密室もしくは隔絶された環境での犯罪発生、疑わしい者だらけの登場人物…)を書き続ける大御所です。 なので長い間読まず嫌いでありました。 <(^_^; 期待を裏切らない舞台設定と胡散臭さ満点の登場人物、そしてチマチマした(失礼!)論理的思考の積み重ねで謎の扉をこじ開けていく主人公たち 読者への3つの挑戦は全敗でした。私は論理的思考に不向きでした。面目ない❕ >_<2021/12/10

nobby

262
学生アリス3作目は700頁を堪能出来る絶品ミステリ。ともに高知県の山奥に位置し、芸術家達が集うも他人を拒む木更村と川向かいの夏森村、そこに伝わる双頭竜の伝説。見舞われた大雨で橋が決壊、江神・マリアとアリス達3人が二手に分断された途端に双方で殺人が起こるという展開や思わせぶりな設定はもうお見事!夢中でページ捲って迎える後半は読者への挑戦何と怒濤の3連発。ロジック丁寧にフーダニットが明かされる中で、伏線なかなか大胆でビックリ!動機含め最初2つには思わず声が出るが、最後描かれる悪魔がちょっと強引なのはご愛嬌か…2017/11/11

周到&執拗

232
有栖川有栖の代表的長編。男女視点の導入と探偵役の分散が素晴らしい効果を上げている。橋を落とすのが遅い(外部犯はやはり封じておくべき)、手紙2通の使い方が早い段階で読める、等の小難はあれど、作者の作った大迷路の最良の道筋を発見してゆく主人公たちの危うくも頼もしい姿は、本格ものでのみ味わえる感動。犯人像の趣向が横溝的、という意見があったが、どちらかといえばクロフツだと思う。例えば『フレンチ油田を掘りあてる』。 (コメントへ続く→)2016/03/22

勇波

229
満を辞して傑作と呼び声高い本作読了です。「フーダニットの限界に挑む大作!」との煽り文句にも大いに納得。これ程無駄のない純粋な推理小説読んだのは随分久々のような気もします。シリーズ3作目ともなり、登場人物のキャラにも慣れたのかテンポ良く読めました。が… 江神二郎の謎は深まるばかり。。次作にも大いに期待。そしてまだまだこの手の作品を十分楽しめる自分になぜだか嬉しく感じてしまうのです★2017/01/13

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