内容説明
ラストシーンは、もう始まっているのかもしれない。人は、誰でも、気づかないうちに人生のラストシーンを始めている。17歳で死んだ〈自殺 志願〉のタレント城真吾にとっては、16歳は晩年だった。城真吾は教えてくれた。人は死ねる。いつ。いつか。いつでも――。でも、僕は思う。僕の教え子の君たちの「いつか」が、ずっとずっと、遠い日でありますように。教師と、生徒と、生と死の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
zero1
90
自殺は【自分を殺す殺人】なのか?何故、人は生きていなければならないのか?重松が自殺と命を描く。高校生くらいの年代は自殺に憧れることもある。自分のいる学校で自殺者がいれば、ある意味で英雄視される。テーマはいいが散漫で消化不良なのは読めば分かる。討論番組での意見は筑紫哲也の苦悩や【自殺が犯罪でない理由】(後述)を思い出した。自殺は残された者から何かを奪う。女子高の教師、岸田はそのことで悩むが、先輩教師は別の意味で悩んでいた。自殺を肯定するのは誤りだが自殺について考えることは必要。本書の読者はどれだけ議論した?2020/02/23
優花 🍯モグモグ
66
感想が何も出てこない。ただただ「切なさ」が鉛のように重くのしかかっていく作品でした。2015/05/28
ともくん
55
重松清作品の中では、イマイチかもしれない。 題材として、生と死、というのはいいと思う。 舞姫は、まだいいと思う。 だが、城真吾のようなキャラクターをカリスマに仕立て上げるのは、どうなのかと思う。 個人的に、重松清のイメージと違っていたという部分もあるのだろうが。2019/04/30
Smileえっちゃん
41
自殺をテーマの重い作品…重松作品はどれも好きなのですがこれは…恋人を自殺でなくし、その寂しさを双子の弟に求め、利用されていると知りながら応じている宏海。佐智子をほんとうに好きなのかもわからない。「身勝手で、わがままで、ひどいことばかりして、いろんな人の人生をめちゃくちゃにしちゃって、それでもまだ生きたいとと思ってる」と言っている佐智子。子供を育てていこうとする人が、たばこをプカプカ、お酒をガブガブ・・・信じられない。親になる資格ないですよね。舞姫通信より佐智子の身勝手さが残り、読後感が良くなかった。2014/10/16
NAO
40
感想が出てこない。生きる理由も死ぬ理由もなければ、生きるのが正解だとおもうけどなぁ…人は人、自分は自分かな?2015/05/16