内容説明
本書は、日本が世界に誇る「黒澤ワールド」の秘密と魔力を、彼が残した言葉や映画関係者の発言を交えて辿ります。監督が著した『蝦蟇の油―自伝のようなもの』は、四十一歳のとき受賞した『羅生門』で終わっており、巨匠の伝記としては初めてのものです。人間を信じること、強く生き抜くことを、限りない力強さ と優しさをこめて問い続けた三十の作品を読み解き、人間黒澤明を知る待望の好著です!
目次
第1章 画家志望から映画助監督へ―明治四十三年?昭和十七年
第2章 鮮烈なデビューから栄光への道―昭和十八年?二十八年
第3章 あくなき活劇(アクション)と人道主義(ヒューマニズム)の追及―昭和二十九年?四十一年
第4章 映像の巨匠の失意と再生―昭和四十一年?五十三年
第5章 戦国絵巻の狂乱と回想の饗宴―昭和五十四年?平成十年