内容説明
『平成日本の百名水』神社の遺跡から湧き出た水を商品化する――。それは過疎村の村興し事業の目玉企画だった。ところが、その計画に携わる者が、人間離れした食欲をしめした後、痩せ衰えて死亡する怪事件が発生する。湧き水と事件の関連性を指摘する民俗学者・杜川己一郎は、遺跡の学術調査を進めるに従い、疑念を確証へと近づけていくのだった。―現代文明の危機に警鐘を鳴らすフォークロア。その想像を絶する、真の意味を紐解く驚天動地のホラー大作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mocha
103
神話の地・宮崎で創世の昔から繰り返されるイザナギVSイザナミのバトル。現代の文明がその脅威を加速させる。新興宗教、ポルターガイスト、神代文字…恐ろしくて面白い要素がてんこ盛り。グロテスクな描写にビクッとしつつもページを繰る手が止まらない。民俗学者・己一郎の優柔不断さに腹が立つけど、スーパーヒーローでないところがいいのかもしれない。田中啓文さんの本は『ハナシがはずむ』のシリーズしか読んだことがなかったので、他のホラー作品も読んでみたい。2018/08/24
おか
57
面白くも 怖くもなかった。まず 主人公が全く好きになれない。伊邪那美命と伊邪那岐尊のある意味男と女の闘いが底辺にあり 神話の薀蓄はまぁまぁだけど、素人の私が読んでいても この言葉はあれを指すだろうtわかるし、主人公の行動の必然性が全く理解できない。着眼点は良いかもしれないが それを生かしきっていない様に感じる。最後まで読んだ自分自身にえらかったねぇ と言った(//∇//)2019/04/15
みや
36
神社の遺跡から湧き出た水を町興しに使う人々の怪死事件に民俗学者が迫るホラー。古事記、神代文字、伊邪那岐伊邪那美、禍津日神、遮光器土偶、ウロボロス、審神者など、単語だけでもワクワクできる大好きな民俗学が盛り沢山。引用される資料や学説はどこまで実在するのだろう。リアリティがあって楽しかった。神話と絡めたホラー部分や町興しの『水』との繋がりはとても面白いのだが、怪異に挑む主人公たちの人間模様が邪魔くさい。主人公のクズ男と婚約者のヒステリー女が酷すぎて、とことんまで呪い苦しませてやれと怪異側を応援し続けていた。2019/09/05
まさきち
29
かなり前に読んだものですが、大好きな神道しかも裏の部分を題材にした物語で非常に楽しませてもらいました。2014/04/29
ヒロユキ
28
神に対しての人々の無力さの描き方に『クトゥルフ神話』に近いものがあるなぁ…と。あと諸星大二郎先生の『妖怪ハンター』がお好きな方にもオススメできるかな。2014/06/09
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