内容説明
「先生、狼にやられちまった!」米搗職人仙太が町医者・沢三伯の許に駆け込んだ。黒船騒動に揺れる江戸市中で起きた怪事件。だが、傷口を検めた三伯は、狼の仕業ではないと断言。やがて浮かんだ狼の正体とは!? 歴史上の人物が活躍する時代ミステリーの傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ネムコ
1
時代小説の主人公に歴史上の有名人を持ってくるのはポピュラーな手法なのかな。短編集だったこともあり、とても読みやすかった。井伊直弼の若い頃の話が面白かった。2013/01/10
ニミッツクラス
1
永井氏初読。表紙絵が表示されなくて残念。白刃を握ったまま千切れている左肘から先の手首の部分を狼が咥えている。背景は暗い林とおぼろ満月。本書には短編が6編収録されている。初期作品のせいか、それぞれに違った特色があり、著者の守備範囲を知るお買い得感のある一冊。タイトルには奇談とあるが、風野氏の「耳袋秘帖」シリーズと同様に事件は解決している。剣戟の好きな向きには「虎穴堂弥助」、推理なら「汚穢屋吟味帳」、史実に絡めた悲喜交々は標題作の他、「夢酔続言」「世田谷裁き」などか。清原氏の解説は先に読んでも可。★★★★★☆2012/02/11
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