内容説明
二十四歳の志織は、高校時代思いを寄せていた夏彦と六年振りに再会し、変わっていない彼を眩しく思う。そしてあの頃を懐かしむ「大人」になってしまった自分に気づき、胸の痛みを感じた。久しぶりに再会した高校の仲間たちも、現実に傷つき、迷っていた――。青春の輝きを見失いかけた「大人たち」の焦燥と不安、そして新たな旅立ちを描く青春小説の傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mmts(マミタス)
62
唯川恵さんにしては珍しいシチュエーションだと思いました。青春小説よりの恋愛小説だと感じました。普段の唯川恵さんらしい恋愛関連のドロドロしたシチュエーションはありませんでした。切ないけれど瑞々しく爽やかなストーリー展開だと言えるかもしれません。誰しも青春時代の喜怒哀楽は美化するものかもしれませんから感情移入しやすいと思いました。学生にもオススメですし社会人にもオススメだと思いました。人生をちょっとばかり休憩したい人には癒しになれるでしょうか。きっとほのぼのした優しい気持ちを取り戻せるでしょうか。2016/12/10
☆ゆう☆
49
唯川恵さんの作品としては珍しく爽やかな恋愛小説だった。過去といまを比べて、あの頃は輝いていたのに…と心揺れる志織。意味のないことだと分かっていても、焦りや不安、孤独に押し潰されそうになると、過去を振り返ったり、見栄を張ってしまう気持ちはよく分かる。人は変わるし、人生は良くも悪くも前進することしかできない。それならやっぱり私も「昔より、今が一番輝いている」といえる人生を歩みたい。「自分で望み、自分で努力し、自分で獲得する」沢山の感慨深い言葉とともに、いまを見つめ直す貴重な機会を与えられた。(iBooks)2014/02/22
葉月ねこ
29
こないだ読んだ「星に願いを、そして手を」と同じような雰囲気の本。星が見える街に大人になってまた集まろう。って言う点はほぼ同じ。18歳と24歳は大違いのように思える。高校生と、かたや社会人そして結婚もしている人もいる。何をもって「大人」になるのか分からないけど、意外と皆大人になりきれずにモヤモヤしている。近い存在だからこそ、意地を張って本音が言えない。2020/04/27
でじきち
14
最近会計勉強本ばかり読んでたので息抜きに◆本棚で目について約20年ぶりに再読◆20代当時、若さを恋愛を重ね合わせ、主人公のようにヒリヒリ琴線を震わせながら読んでいた◆今は物語を落ち着いてくつろぎ楽しめる。代わりに、親子や家族を描く物語にヒリヒリするようになった。また20年後にはそんな物語もゆったり味わえるようになるのだろうか◆当時開設していた自分のHPにも書評を載せたはず。なんて書いていたかな◆幸せは現象じゃない。そう感じればそれが幸せになる◆そういえば、自分のHPのタイトルは"しあわせきぶん"だったなぁ2022/06/24
生田目 房一郎
12
誰が落伍者やねん。現時点での表紙画像の帯にはなかなかすごい事が書いてある。自分が買ったのには勿論ついてなかった。スピッツの『涙がキラリ☆』の似合いそうな小説。 夏彦なんか俺が天使だったならとか言いそう。過去を懐かしむ主人公達、社会に出ればそりゃ挫折する。24歳のくせに懐古に走るの早すぎ、な気にはバブル後の激動ぶりとか死んだ同級生の事もある。ずっと渡せなかった思いがあるんやで〜、夏彦〜。 まだまだこれからです。マスターの旅立った美星町、その満天の星空で過去を精算できた主人公。2020/03/31
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