内容説明
エアライン・日空ビルの28階取締役室。そこでは名誉会長、会長、社長、3人の老人が、後継社長人事をめぐって暗闘を繰りひろげていた。トップの確執を、社員は息を詰めて見守った。前途に不安を抱き緊張がみなぎっていた……。「その女、スパイかもしれないぞ」上司の邪推に、経営企画室の岡弘文はたじろいだ……。巨大企業の中に息づく人間群像を鮮烈に描く力作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
すの
0
人に勧められて読んだが、正直に言ってどうしようもない作品。かつての全日空の社長交代劇をモチーフに、ある航空会社内の権力抗争といいうか、結局は現社長の悪あがきを書いただけの娯楽小説。ビジネス小説にすらなっておらず、モデルになった人物と、作品の登場人物を重ねあわせ読むだけのゴシップ小説とさえいえるかもしれない。ほんの少し前の作品のはずなのに、古臭いビジネス小説の作法で、無意味なセックス描写を交え、肝心の「仕事」は書かれることなく、ただ権力に執着する人の姿をのみ描かれても、どうしようもない。2011/08/24




