内容説明
★私を、現実を知らない子供としか見てくれない。彼を愛するなんて、悲しくてつらいだけだ。★灼熱のカサブランカの空港に、青い目をした若い女性が降り立った。マドリン・ページ、二十歳。イギリスから着いたところだ。ロンドンで知り合ったハンサムなアメリカ人青年ブルックの紹介で、彼の叔母アマリアが、夫の伝記を書くのを手伝いに来たのだ。頼まれてマドリンを出迎えたのは、アラブ人の姿をした長身の男性だった。猛々しく鮮烈な迫力を発散する男の存在感に、彼女は一目で圧倒された。彼は砂漠のオアシスにある病院のフランス人医師、ビクター・トウレル。砂漠の住民の医療に命を捧げる人らしいが、マドリンを完全に子供扱いする。その後、マラケシュを中心に美しい砂漠の国でアマリアと行動をともにしながら、マドリンは優しいブルックのプロポーズに心を乱された。本心は、厳しく激しい砂漠の鷹のような医師ビクターに惹かれずにはいられない。ビクターにはいつも、妖艶な美女がしっかりと寄り添っているというのに。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アカツキ
8
ヒロインは男友達の叔母の秘書になるためにイギリスからモロッコへ。骨折した男友達の代わりにフランス人医師ヒーローが迎えに来る。ヒロインはヒーローに心惹かれていくが、ヒーローはヒロインをお嬢さん扱い。おまけに男友達のいとこがヒロインをライバル視して…。上品なロマンスだった。ヒーローの好意はかすかに感じ取れる程度の描写しかなくて少し物足りなかったけれど、その分、終盤の告白が熱い!冒頭の著者の言葉が素敵。著者の生きた時代と情熱が感じられて胸がいっぱいになった。2019/10/06
ぽしょ
0
ウィンズピア作品に出てくるツンデレヒーローは癖になる。ヒロインが鼻につかない程度の優等生で大変美しいという安心仕様なので、ヒーロー視点が一切なくてもヒーローの気持ちを想像できてニヤリ。砂漠の情景や建物などの描写が素晴らしいのも魅力。2011/04/17
こえん
0
一見淡々と展開するけど、底を流れる情熱がかいま見えるのがいい。2010/05/10
たくあん
0
ウィンズピアの作品はどれも読み応えがあって好き。だけどこの作品は、ロマンス小説としては物足りなかった。ヒーローの影が薄いのよ…。登場しないページが結構あって、2人の交流を読みたい者としてはちょっと退屈。ヒロインが語る愛と結婚観は、作者の信条なのかな、なんて思ったり。情景や食べ物の描写は相変わらずすてきな文章で綴られていたので、異国の香りを感じられたのはよかった。2025/03/29
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