内容説明
イーハトーブとは、耳をすませばバード・カントリーだった。宮沢賢治の作品において、鳥はしばしば物語の転換が行われる場面に登場し、重要な役割を果たしている。賢治にとって「鳥」とは何であったのか。従来、賢治の鳥は幻想的なものとのみとらえられてきたが、その鳴き声にじっと耳を傾け、その行動をたしかめながら、生態から賢治文学の魅力に迫ろうとする。賢治の全作品、草稿、メモ、手帳、書簡などいっさいに出てくる鳥の名前を網羅した巻末の「宮沢賢治バードウォッチング」は、貴重な資料である。
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目次
第1部 身近な鳥(ヒバリ―すきとほった波をたてるもの ウグイス―青い折線グラフ ほか)
第2部 家禽類その他(アヒル・セキセイインコ・黒白鳥・レンジャク ガチョウ―仏の三二相 ほか)
第3部 水辺の鳥(ミソサザイ、そしてオナガ―名前なんか気にならない アホウドリ―知らない者は阿呆鳥 ほか)
第4部 山野の鳥(イワツバメ―海抜六千八百尺の鳥の声 ワシ―鳥の王者 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ロータス
2
宮沢賢治研究会に属しながら日本野鳥の会の会員でもある御三方による賢治研究書。あらゆる賢治作品の引用を元にそこに出てくる鳥の特徴と隠された意味を読み解いていくのだが、よくぞここまで鳥の記述があるものだと(そしてそれを御三方がくまなく取り出したことに)驚くと同時に、その鳥の生態を知り、その特性を活かした作品を残した宮沢賢治に改めて尊敬の念を抱いた。鳥に興味のない人には退屈かもしれないが、賢治の作品を深読みするためにはこのようなアプローチも必要不可欠だろう。作家の研究書としてお手本のような一冊。2021/05/09
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