内容説明
老境に達し、父母を送り、妻との老後を考えた著者が説く美しく死ぬ自由。死を前に決断していくのが人生。脳死、尊厳死、遺灰散布など日本人はいま「死」をとらえ直そうとしている。血縁、地縁、死とは何か……。カソリック信者の著者が、みずからの生の軌跡を「死」をからめた側面から振り返り、虚飾を拭った本音で綴る含蓄に富む名エッセイ。
目次
死者は生者の生活をわずらわすべからず
親の戒名は子がつけよ
墓をつくるのは妙な趣味か
親の骨よりも親の精神の軌跡が大事
各民族の葬り方に通じるもの
葬式は跡目相続の確認式
逃亡奴隷であった私の両親
郷里のない幸せ
私の夢を理解してくれなかった妻
わが夫婦は親失格〔ほか〕



