内容説明
島に生まれ、海辺で育った章太。小学四年生だが、泳ぎともぐりでは誰にも負けない少年だ。ある日、章太のクラスに佳与という少女が転校してきた。都会から来た佳与にとって、海辺の暮らしは珍しいことばかり。すぐに島になじんで明るく過ごす佳与だったが、その一方で、時に寂しげな表情を見せることに章太は気付いていく……。それぞれの悩みと悲しみを乗り越えて、大きく成長するふたりの姿を描いた表題作「海になみだはいらない」をはじめ、生きる勇気を与えてくれる名作児童文学七編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
三代目 びあだいまおう
285
決して色褪せない名作がある。時代が変わっても、世の中が変わっても。『一生懸命生きとるもんはみんな仲間や』灰谷先生の作品は愛に満ちている。どうしようもなく感動してしまう。純な子供の感性が眩しく、不器用な優しさに涙ぐむ。短編のそれぞれに『一生懸命生きとる』が滲み、懐かしい昭和の風景がよみがえる。私は国語苦手でした!活字が全くダメでした。子供の頃から最近までです。きっと灰谷さんの作品も教科書などにあっただろうに私はダメでした。こんなに読みやすくて感動できること、読書の素晴らしさを若き自分に教えにいきたい‼️🙇2020/01/26
はる
43
灰谷さんの作品に登場する子供たちは本当に生き生きとしています。彼らのことをちゃんと見ているのかと自分自身いつも考えさせられますね。表題作はちょっとあっさり終わってしまうのが残念だけど、少年と少女の出会いの話し。ちょっと宮崎アニメっぽい感じで良かったです。灰谷さんはいい作品がたくさんあるのに、「兎の眼」と「太陽の子」以外は電子書籍だけで文庫が絶版状態なのは残念です。2015/07/01
けい子
15
一話一話、読み終わると同時に目の中が涙でいっぱいになります。素敵な先生がたくさん登場します。2015/06/03
ami
10
ゆっくり少しずつでしたが、読了しました。 兎の眼もとても良かったのですが、一層ファンになりました。まだまだ読んだことのない作品を読んでいこうと思います。 とても細やかな視点を散りばめられて、とてもよかった。いのちを大切にしたり、人思いやったりする気持ちを、これからたくさん学んでいきたい。2018/12/22
たぬ
9
★4.5 「ろくべえまってろよ」でおなじみ灰谷健次郎氏の短編集です。主人公はほぼ小学生、舞台は関西。子供たちの描写がとても丁寧しかもあたたかで、私もこんな担任と級友に囲まれた学校生活を送りたかったな、と優しい気持ちで読了した。2019/05/30
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