内容説明
安倍仲麿の子孫・安倍晴明尾花丸は、帝の怨病を知り都に上った。幼き身ながら陰陽頭・蘆屋道満との問答対決を制し、御悩平癒の祈祷を拝命する。だが、道満は邪悪な陰謀を巡らせ、仲麿に恨みを抱く唐土の妖狐も加わって、京を揺るがす呪法合戦が──平成の講釈師・夢枕獏秀斎が語ります大バトルの顛末!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そうたそ
15
★★☆☆☆ 夢枕さんといえば、言うまでもなく有名なのが「陰陽師シリーズ」であるが、こちらはそれとは全く別物である。タイトルにもあるように「講釈」風に語られる内容で、本家「陰陽師」シリーズにあるような優美で幻想的な雰囲気は皆無である。そちらの雰囲気に慣れてしまっているだけに、なかなかこの作品での安倍晴明の感じに慣れることが出来ない。蘆屋道満も本シリーズではキャラの強さが半端なく、個人的には大好きなのだが、それだけにこの作品に登場する蘆屋道満については物足りなさを感じずにはいられない。2014/04/19
シュウ
7
なかなか面白かった。2015/12/13
ハヤカワショボ夫
2
陰陽師シリーズの番外編といった作品だったので読んでみた。シリーズ本編で描く平安時代独特の幽玄な雰囲気はなく、噺家が語るような形で史実など気にぜずに安倍仲麻呂らが出演し「ごった煮」感が満載で妖狐や萬屋道満が魔王になったり晴明は赤毛のスーパサイア人みたいになったりで完全な勧善懲悪の筋書きがあり、とにかく夢枕獏先生の本領発揮でエンターテイメント性に富んだ作品になっています。これは別物として大変面白いという発見が出来ました。今作が発表されてしばらく経っていますが、続編もできれば見てみたい気がします。【図】★★★★2016/01/06
sion
1
本弁の安倍晴明に慣れてしまってから読んだのであの幽玄で幻想的なのがなかった。最後赤毛の超サイヤ人みたいになってた。安倍晴明の解釈が全然違うというのをはじめて知りました。現代の晴明は胡散臭くなってるよ。2021/10/15
松風
1
筆者の横道逸れは好きだが、講談調で一気に語るスピード感も欲しかった。2012/01/26