内容説明
ふとした気まぐれや思いつきによって、人間を残酷な運命へ突きおとす“悪魔”の存在を、卓抜なアイデアと透明な文体を駆使して描き出すショート・ショート36編を収録する。人間に代って言葉を交わすロボットインコの話『肩の上の秘書』未来社会で想像力にあふれた人間を待ち受ける恐怖を描く『ピーターパンの島』など、日常社会、SFの世界、夢の空間にくりひろげられるファンタジア。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
242
一日に何話か星さんのショートショートを読んでからじゃないと寝れない身体になってしまった。この作品は未読か既読か記憶が曖昧。なんの捻りもない話もいくつか混じっておりますが、全体のアベレージは高めでかなり面白い。ちょっと皮肉な話が好きです。最初の『合理主義者』とか。あと一話だけ、と先伸ばしにしている内に睡眠時間をコツコツ削られてゆく。恐るべし星新一。2016/07/07
小梅
162
久しぶりの再読。 あとがきで星新一が「ボッコちゃん」と重複してる作品が含まれてると書いてた。その重複してる作品の「ゆきとどいた生活」は記憶に強く残ってました。2017/09/12
Tetchy
141
これはやや普通の読後感だった記憶あり。でも水準以上!2008/08/30
青蓮
132
読み友さんのオススメから。星新一さんの作品はどれも面白い。ラストのオチに、思わずにやりとしてしまう。短い作品の中にブラックユーモア、社会風刺を散りばめた作風はさすがです。解説で星新一さんが太宰から影響を受けたと知ってちょっと嬉しい。2015/09/25
MICK KICHI
108
<マンスリー・星新一> 「悪魔のいる天国」36編収録。傑作(特に傑作は◎を)情熱◎ シンデレラ◎ こん ピーターパンの島◎ 殺人者さま◎ ゆきとどいた生活 かわいいポーリー 契約者◎ となりの家族◎ 薄暗い星で◎ 帰路 殉職◎ 帰郷◎ 解説で星さんもブラッドベリの「火星年代記」で人生の道が開けたと言われたエピソードが書かれていました。ここにはそれが色濃く感じられます。私選ベストは「帰郷」次点が「薄暗い星で」 どちらも甲乙つけられないですが、宇宙空間に浮かぶ女性の幻影が素晴らしい「帰郷」がイチ押しです。 2019/01/19