内容説明
ふとした気まぐれや思いつきによって、人間を残酷な運命へ突きおとす“悪魔”の存在を、卓抜なアイデアと透明な文体を駆使して描き出すショート・ショート36編を収録する。人間に代って言葉を交わすロボットインコの話『肩の上の秘書』未来社会で想像力にあふれた人間を待ち受ける恐怖を描く『ピーターパンの島』など、日常社会、SFの世界、夢の空間にくりひろげられるファンタジア。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
347
星新一は初読。この『悪魔のいる天国』は、星の代表作となった『ボッコちゃん』よりも前に出版されたもののようだ。ここでも、星が得意とするショートショートである。250ページほどの中に36もの掌編が収められている。編中で最も長い「ピーターパンの島」でも、15ページ。読んでいると、これでさえ長いような気がしてくる。さて、これら36篇の作品群だが、構造はどれも似ているように思われる。すなわち、いずれの作品も、ほぼ例外なく最後の数行ほどがその成否を決定するのである。肩透かし気味の結末が多いのだが、確かに爽やかな⇒2025/09/12
W-G
249
一日に何話か星さんのショートショートを読んでからじゃないと寝れない身体になってしまった。この作品は未読か既読か記憶が曖昧。なんの捻りもない話もいくつか混じっておりますが、全体のアベレージは高めでかなり面白い。ちょっと皮肉な話が好きです。最初の『合理主義者』とか。あと一話だけ、と先伸ばしにしている内に睡眠時間をコツコツ削られてゆく。恐るべし星新一。2016/07/07
小梅
163
久しぶりの再読。 あとがきで星新一が「ボッコちゃん」と重複してる作品が含まれてると書いてた。その重複してる作品の「ゆきとどいた生活」は記憶に強く残ってました。2017/09/12
Tetchy
146
これはやや普通の読後感だった記憶あり。でも水準以上!2008/08/30
青蓮
134
読み友さんのオススメから。星新一さんの作品はどれも面白い。ラストのオチに、思わずにやりとしてしまう。短い作品の中にブラックユーモア、社会風刺を散りばめた作風はさすがです。解説で星新一さんが太宰から影響を受けたと知ってちょっと嬉しい。2015/09/25




