角川文庫<br> 死言状

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角川文庫
死言状

  • 著者名:山田風太郎
  • 価格 ¥550(本体¥500)
  • KADOKAWA(2013/09発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041356456

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内容説明

古今東西の有名人は死に際してどんな最後の言葉を残しているだろうか。ゲーテは「もっと光を!」。勝海舟は「コレデオシマイ」。近松門左衛門「口にまかせ筆に走らせ一生さえずりちらし、いまはの際に言うべく思うべき真の大事は一字半言もなき当惑」。そして、風太郎の死言状は? 本書は、天才にして鬼才である菊池寛賞受賞の著者が、折々に書き綴ったアフォリズムあふれる現代の徒然草。

目次

文学碑
公然たる嘘
記憶
ふしぎな話
年表の空間世界
数字の思い出
消えゆく手紙
接吻という言葉から
恐怖いろいろ
私の漢字仮名意見〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みや

15
山風先生の随筆雑文からピックアップしてまとめた一冊。図らずも死に対する心構えに収束する一連の人生論となっている。戦中戦後の混乱期を持ち前の怠慢と幸運とで生き抜いた末に至った達観から発せられるアフォリズムが痛快。今読むと固陋然としたところもあるが、それを非難するのは野暮。漱石、百閒、芥川、乱歩、色川らの生き方に対する考察も興味深い。「欲にまみれて生き、死後に振り返ってもはじめから何もなかったのと変わらない」との死生観に大いに共感。2021/10/20

okaka

4
老境に絶望するでも希望を持つでも無く、フラフラと話が流れるのが妙に心地よい。それにしても伝奇物であれほど名を成したのに、晩年まで本格推理物に憧れていたというのは世の中ままならないと言うか面白いと言うか。2014/09/21

カノープス

3
この肩の力の抜け具合。それでいてダラダラと緊張感の無い雑文を繰り広げるわけではないところ。私は合気道の超然とした佇まいの達人を思い浮かべる。【葱の話から】に見られる、日常における些細な物事の考察から思考が発展していく話など独壇場である。今、このテイストで随筆を書ける人がいるのだろうか。きっといるのだろう。私が知らないだけで。そう、世の中まだまだ知らない事だらけだというのも、山田風太郎を読んで実感する事のひとつである。2024/06/22

寛理

2
肩の力の抜けた山田風太郎のエッセイは本当に面白い。徹底した無常感がその全てを貫いている。2020/11/12

Eiki Natori

2
亡き父の本棚にあった本で、面白そうなのを数十冊頂いたのだが、なかなか面白いエッセーだった。 よく中国韓国を悪く言う、叩くメディアがパクリについて色々書くのを最近目にする。 でもこの本によれば、日本こそが伝統的に、俳句も小説も各産業もすべてパクリである話がかなり面白かった。 それ以外にも本音で書かれ、歯に衣着せない短編エッセーなので、面白ネタばかり。もちろん私と意見が合わない話や今のリベラルが見たら批判されるような内容は多々ある。それも含めて面白い。2019/01/26

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