角川文庫<br> 喪失記

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角川文庫
喪失記

  • 著者名:姫野カオルコ
  • 価格 ¥737(本体¥670)
  • KADOKAWA(2013/09発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041835067

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内容説明

五年間、一度も友人と食事をしたことがない。他人と話をするのは、月二度程度という静寂だけの日々。――理津子は男に飢えていた。カトリック神父のもとで育った彼女は、恐ろしいほど規律正しい厳格な生活が、骨の髄まで染みついている。他人に、自分に嘘がつけない。誤ちには厳しい戒めもいとわない。そんな理津子の前に、本能の赴くままに生きる男・大西が現れて……。子供から大人へ――。精神と肉体の変化、個人と社会との関わりを残酷なまでに孤独な女性を通して描ききる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆいまある

88
ドールハウス、レンタルの間の二作目らしい。知らずに読んだが楽しめた。表紙を変えたらもっと売れたのではと思う。幼少期宣教師宅に預けられていたカオルコさんの過去が反映されている。性欲はありつつも、自己評価が低すぎて恋愛できない。かつ、肉欲を持つことは罪であるとの考えが強過ぎて30過ぎても処女という女性の成長譚。肉欲は罪ではなく、自分を肯定して貰うための恋愛というのがこの世にあっていいのだがカオルコさんは今作でもそこに辿り着かない。この小説では友人を得て、もりもり食べることで主人公は満たされて良かった。【KU】2025/08/21

金吾

27
主人公のアンバランスさが話の続きを知りたくなる推進力になっているように感じました。何故そのような考え方になるのかを理解不十分ながら咀嚼しながら読みました。幼少期から今までを上手くまとめているように思います。2023/12/04

ゆきらぱ

27
「ひとりでいるのが好き、だと言えるのは、果てしなく長い時間をひとりでいたことのない人間だからである。彼、あるいは彼女にとっては、ごく短い時間にひとりでいることが新鮮なのである。」ここに圧倒的な孤独を感じた。果てしない孤独に恐ろしさも感じた。姫野カオルコの小説はそんな孤独を少し解きほぐしてくれる2022/05/20

ふみ

24
理津子さんの思う卑しさ汚さ、けっこう理解出来てしまうんだけど、そうすると自分は不潔極まりない女になっちゃう(笑)困ったなー。2016/09/16

あまみ

18
筋の構成が上手いのだろう。読み始めたら置くのに苦労する。▽睡眠薬を7錠も飲んで、ドライバーを持って、溢れる風呂に入ってーー。ウワーそうなるのか! こんな物語か?と恐れたら……そんなことって(意味不明(笑)。 理律子のような女性を作り上げる姫野さんはすごいと思った。 2023/05/13

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