新潮文庫<br> 家族場面

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新潮文庫
家族場面

  • 著者名:筒井康隆【著】
  • 価格 ¥506(本体¥460)
  • 新潮社(2014/05発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101171371

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内容説明

気がつけば、おれは石川五右衛門だった…。神出鬼没に時空を飛ぶ作家一家。読者を物語のブラックホールに突き落とし、ねじれた迷宮へと誘う表題作。被害者の遺族が死刑囚の刑を執行するという狂気の設定で、獄中で執筆し続けた囚人作家の断末魔を描く『天の一角』。長年の忍従に暴発した作家夫人の怒濤の糾弾を活写する法廷劇『妻の惑星』等、表現への熱い慟哭が刻まれた傑作7編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

84
面白かったです。表現の極限までチャレンジしたような危険性を孕んでいます。つかみどころがなく、するりと滑り落ちるような感覚は、従来の小説の規格から外れているようでした。物事をはるか遠くから眺めつつ描いたようなカラーの短編集。いい意味で破天荒な筒井サンらしさが色濃く出ていると思いました。2016/05/03

メタボン

32
☆☆☆☆ 面白かった順に。スカトロ描写がすさまじい「九月の渇き」。まさしく猿芝居と言える「猿のことゆえご勘弁」。被害者家族により死刑を執行される「天の一角」。世の中の6割が公務員の世界「大官公庁時代」。姑の嫌味に忍耐し続けた妻による裁判「妻の惑星」。時空が次に次に展開しながら主人公である石川五右衛門自体がストーリーを作り上げていく「家族場面」。マイセンを割ったと責められ陶磁器屋でバイトする羽目になる「十二市場オデッセイ」。2022/11/23

佐島楓

21
不条理とエロスの激しいたたみかけは、最近の作品集でも健在。「妻の惑星」の妻の告白に笑ってしまった。似せようとしても無理な作家のおひとり。2013/10/23

ねりわさび

16
前半部はお馴染みのドタバタ風刺ギャグ。後半の表題作と妻の惑星の二作が特に印象深く、現実と虚構を笑いを交えて深く掘り下げ描かれている。アナグラム的な表現もあり、ちょっとした謎解き要素も含まれている短編集でした2018/10/05

redbaron

14
「天の一角」なんて、難しい問題な話なのにユーモアさえ感じる。「九月の渇き」等、上質なエログロに酔いしれる幸せwww 先の読めない面白さ。気づくと著者の本を手に取っているあたしは中毒患者。さて、次は何を読もうか。2016/11/19

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