内容説明
天使のような笑顔を浮かべると、出会う者はみな思わず「可愛い!」と声を上げてしまう。大人たちを自分の魅力のとりこにし、望むものを手にしてきた小学1年生の少年、拓馬には、ある秘密の「趣味」があった。場所はたそがれの競馬場──。純真、残酷、妖艶、粗暴、嘘言……。正常と異常の狭間に立つ幼児たちの危うい心理を描きだした、現代の「恐るべき子どもたち」ともいうべき7編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tengen
63
乃南アサさん、子供たちの7つの憂うつ、と言う副題をもった短編集。 登場するのはトンデモな子供たちなのですが、オトナコドモ関係なく人間の嫌な部分を投射しているのだろうな。 トゥインクル・ボーイ / 三つ編み / さくら橋 / 捨てネコ / 坂の上の家 / 青空 / 泡2014/06/16
あゆた
54
7つの短編集。どれも子供が主人公です。なんだか救われない感じのお話ばかりなのですが、思った以上におもしろく、どれも結末が知りたくて一気に読んでしまいました。乃南さんは「子供イコール純真無垢」というのを見事に裏切り、背筋がぞっとするくらい恐ろしく怖い子供たちを描いています。子供は純粋だからこそ、これほどまでに残酷になれるのでしょうか?周りの大人と環境の影響って大きいというか、それがすべてなのかも。2013/08/30
まさきち
37
一瞬純真に見えながらその裏に狂気を帯びた大人のような恐ろしさをもつ子供達が運んでくる悲惨な結末達を集めた短編集。それぞれが乃南さん独特の薄ら寒さを醸し出していて楽しめた一冊です。2015/03/08
アーモンド
32
文中の「子供は天使なんかじゃない」という文章が印象的な短編7作。悪意のある子供も怖いが、悪意のない子ども達の作品も怖い。そんな中感じたのは、子どもたちが育つ環境は、とても重要だということだった。乃南さんの人間描写は、やはりすごい。2017/10/27
そのぼん
31
怖い、心理的に怖いお話を集めた短編集でした。子供がどの話でもキーになっており、読み進めていくうちに何処か歪みに気づくものが多かったです。家族で競馬場に行った、一見純真そうに見える子供がメインの『トゥインクル・ボーイ』と、 居酒屋(小料理屋?)で働く夫婦の幼い娘と近所に引っ越してきた青年との話である『三つ編み』、英才教育をしようとしている母、そしてその教育方法がすべて賛成とは言いがたい夫と彼らの息子を描いた『泡』が怖くて印象に残りました。2013/11/19
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