内容説明
幕府内外の危機的状況を打開する期待の将軍であった徳川慶喜はなぜ、自ら武家政権に終止符を打ったのだろうか?
中根長十郎・平岡円四郎・原市之進…。
三人もの慶喜の黒幕が次々と暗殺されていったのはなぜか?
幕末の混乱の渦中に斃れていった彼らの声を拾いながら、最後の将軍の実像に迫る、異色の長篇歴史小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どぶねずみ
27
堂門さんと徳川慶喜家臣の黒幕5人との架空座談会とは面白い。出席された黒幕5人とは、中根長十郎、黒川嘉兵衛、平岡円四郎、原市之進、渋沢栄一。時期は違えど5人とも徳川慶喜に仕えた者たちで、この中の3人が暗殺された者だった。堂門さんの質疑に対して、それぞれの慶喜への思いを語る。将軍職に就く前から尊皇攘夷か開国かと周囲に迫られ、ご自身の心の内を明かさなかった慶喜公を黒幕らしく操っていた?細かい話は他で触れる機会が少ないから勉強になった。平岡トークが一番多かったし、渋沢さんは控えめだった。また他の本からも学びたい。2021/06/27
ごゆるりと
3
⭐️⭐️⭐️ 慶喜の黒幕と言われた中根、平岡、黒川、原、渋沢と著者童門さんが架空座談会を行い、慶喜がとった行動や人物像を議論、分析しつつ、慶喜の思想が「尊王開国」であったと結論づけていく。斬新な企画で面白い。歴史小説家は、こうやって過去の人と質疑応答しながら小説を書き上げているのだろうなぁと微笑ましくなった。死人に口なしのため、童門さんのこじつけでは?と思う分析結果を彼らに押し付け「YES」と言わせ、あたかも事実のように見せている場面も見受けられたが、限られた事実のなかで慶喜を知ろうとする思いは伝わる。2021/01/22
山本哲哉
2
大河ドラマでは、「モックン」が良かったですが、今の「草なぎ君」も興味を持って見ています。なかなか複雑な人物ですが、彼こそが、本当の意味での「明治の幕開け」の立役者だと思います。あらためて、「明治維新」の意味を問い直すことが必要だと思います。2021/05/09
黒
1
つまらなかった2018/09/11