方法序説

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方法序説

  • ISBN:9784003361313

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mukimi

111
23歳にして全ての学問を学び終わったと認識し、そこからは自らの頭でそれらを疑い真実を見つけようと決めたデカルトが旅や思索を経て41歳で書いた本書(科学論文の序章として書かれたもの)。生前の名声は要らない、限りある生の中で思索に耽る時間の邪魔になるから。しかし後世に益となるものを残したい。その通りデカルト主義は近代合理思想の根幹を形成する。考える私、意識や理性の原型二元論(精神と肉体、主体と客体)、数学モデル、自然研究がその思想の中身だがその全てはまだ自分の中に落とし込めず、追加思考の宿題を貰った。2022/01/30

Major

99
「我思う故に我あり」この根本定理がその後の西洋哲学・思想および科学の進歩にどれほど甚大な影響を与え、人間存在の思想的根拠を与えたかを考えると感慨深い。はじめの我と後の我との間に、それまでの形而上学が、いかほどの努力を払って議論を尽くしてきたであろうか。「はたして私は<ある>のだろうか」という私自身の宿命的な問いに対して、「(そのように)考えている(疑っている)私が<ある>ことは否定できない」というロジックは見事である。2017/09/02

マエダ

97
動脈、静脈の話になった時には驚いたが、心理の追求がテーマの本書である。”ほかの人から学ぶ場合には、自分自身で発見する場合ほどはっきりものを捉えることができず、またそれを自分のものとすることができないからである。”学ばなければいけないことが多々ある身として、なかなか難しいことを言ってくれている。2016/04/07

ひろき@巨人の肩

90
「方法序説」とはデカルトによって1637年に公刊された屈折学、気象学、幾何学の3つを集めた論文集の序論。有名な哲学的命題「我思う、故に我あり」について、その成り立ちをデカルトの半生を追いながら六章立てで理解していく本書。社会科学や人文科学を中心に様々な学問を学び、世界を旅した結果、当時の社会や共同体など人間の集団が形成する知識や建造物よりも、一人の人間に宿る意識や知識に秩序だった一貫性を感じ、世界に潜む定理を導き出す自然科学の枠組みで、生物的に人間を捉え直そうとした、という流れか。マンガでも読み直したい。2024/02/15

syaori

85
デカルトが「どのように自分の理性を導こうと」したかを説明した本。最初に良識(理性)は万人に「公平に分け与えられて」いるもので、大切なのはそれを各々が「良く用いること」だという平等で自律した人間像が描かれます。そしてそのためにデカルトが模索した道が示され、「ワレ惟ウ、故ニワレ在リ」という真理に行き着いたことが語られます。現在の西欧文化の一端はこの「ワレ」から出ているわけですが、その確実性を支えるのは「神の存在を前提にしなければ」と言うとおり神であり、そのことは現在も忘れてはならないことのように思いました。2023/03/15

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