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内容説明
論文は、自分のモヤモヤした考えを明確にするため、またそれを他者に伝えるために書かれる。「自分とは何者か」から「人間の生」「現代社会の在り方」まで幅広いテーマを取りあげて、論文の「かたち」と「なかみ」を丁寧に解説する。本書は、大学入試小論文を通して、文章技術の基本を身につけるための哲学的実用書である。
目次
第1章 論文ってどういうもの?
第2章 じょうずに「考える」ために
第3章 「読み」と「発想・構成」―原理篇
第4章 「読み」と「発想・構成」―実践篇
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まさむ♪ね
6
論文は何のために書かれるのか。自分の中のモヤモヤした考えを明確にし、その考えを他人に伝えるためだと本書は語る。世の中には様々の問題があるが、果たしてどれだけの人が明確な自分の考えを持っているだろうか。誰もが簡単にあらゆる情報を手に入れられる現代。膨大な情報に飲み込まれ「自分」を見失っていないか。疑う力、何か変だと感じ取る力を持とう。そして自問自答を繰り返し自分の「イイタイコト」を筋道を通して語れるようにならなければ。2013/05/11
グスタフ
6
「考えが深まってくれば、おのずと表現は、わかりやすくシンプルになってくる。」というところから始まる。確かに、この1年間、西先生の、ニーチェやヘーゲル、ハイデガーなどの解説書に、随分お世話になってきたが、そのわかりやすさはピカ一だ。本書も、論文などを書くときの基本を確認するときには、非常に参考になり、また読み物としても面白い。ただ、大学に合格するためのテクニックを学ぶならもっと適切な本は、沢山あるのだろう。後半の実践編では、自分も京都大学のひっかけ問題に見事にひっかかった。問題を作った人、性格悪すぎ!2012/01/18
じょにー
5
いくつかの例題への対応を考える章で、筆者の主張や主題をわかりやすく説明してくれるのが有難かったです。的確に主題を捉えた小論文を書くポイントなど、役立つことがたくさん書いてありました。一番印象に残っているのは「要約は文書の縮小ではない」ということです。2014/03/23
★★★★★
5
人文系学部における小論文入試問題の解答・解説を通じて、受かるための小手先のテクニックではない、考えるとはどういうことか、論述とはいかなることかを指導する本です。まずは、設問に媒介されて自らの生と世界が切り結ぶ点にこそ論述の出発点が生成されるという、現象学的な前提から論文作法が述べられます。その上で、実際の入試問題をもとに著者自身による解答に至るまでの思考過程や、実際の答案に対する批評などを提示し、読者に実作の過程を疑似体験させてゆくわけです。さて、この本は私の予期に反してかなり刺激的な一冊でした。2009/09/18
不動 明
4
小論文を書くことも試験を受ける事もない私にもこの本は面白かった!特に課題を与えて書かせる場合と自由に書かせる場合の違いの説明は、課題が与えられる方はボクシング、自由に書いてよい方はプロレスに価すると思ってしまった。小論文を書く事は無くてもブログの文章の書き方の参考には充分になった。2012/05/28