内容説明
過疎が進む山間の小さな町。
遠い昔、この町の少女を騙して郵便局から金を盗ませ、彼女から金だけを奪って東京へ去った青年がいた。
彼はその金をもとに実業家として成功し、今、四十年ぶりにこの町を訪れた。
誰も彼が昔この町を逃げ出した青年だとは気付かない。
そう、ただ一人、「あのときの少女」を除いては…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちび
12
短いお話でした。 けど、物凄い人間関係…というか、恋愛関係…というか、貞操関係というか…。 いやぁ、「あなた」で繋がる親子三代(四代?にならないことを願う…)、とにかく凄かった。 昼ドラどころじゃないです。 町田がどうやって名前を変えたのか、妻が何故あんなに冷静なのかが気になりました。2016/06/01
ちろりん
9
30何年かぶりで赤川次郎作品読みました…うーん、なんと言うか、吊り橋、怖い…短くてあっという間に終わるけど、それなりに楽しめた♪2014/12/10
ちばっち
8
大掃除してたら見つけました。ミニミニサイズ&P126なのにホラーでした。流石!血って怖い!2015/12/31
ゆり
3
Readerで読んでた。いま覚えているのは、物語全体に漂う薄暗さと、なんとも言えない読後感だったということ。短い文章だけど、ここまで薄暗さが続くのも凄いなあと。2015/07/10
よい #NowReading
3
学生時代にハマった赤川次郎作品。久しぶりに電子書籍で読みました。 短編ながらもかなり濃いです。濃厚だな〜と思うのは、無駄な言葉を極限まで削ぎ落とし、必要不可欠な文章でまとまっているためかなと思いました。それくらい、街や風景の描写が少ないです。人の描写も最小限です。でも見分けがつくから、すごい。 「因果応報」という言葉が浮かびましたが、表現できない空しさや悲しみも感じました。 人は何かしら自分に繋がる物語を背負っているのだなと思いました。 当人が知っている、知らないに関わらず。2016/01/02