内容説明
激しい雨の降る深夜の高速道路で商事会社の社長がガードレールに激突、即死した。その後、社長夫人も病死。さらに、ひとり娘が自宅で絞殺された。事件は厳しく追及され、アリバイの確認ができなかった美貌の社長秘書が逮捕された。だが……。〃グズ茂〃の異名を持つ検事・近松茂道が、隠された真犯人を徐々に暴く。著者自らが強く愛着を感じていた本格推理の傑作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
61
会社社長の高速道路での謎めいた事故死とその後の娘の殺人。謎めいた事件に近松検事が挑む。著者の中期の小説は初期に見られたようなおどろおどろしさが感じられず好みから外れるが本書は面白かった。あるトリックが使われているのだがそれをダシにしてのどんでん返しや、『白昼の死角』に見られるようなある物を逆手にとって自分の武器にするというのは見事の一言。やはりこういう一つ一つ事実が積み重なって事件が進展していく足の探偵は堅実でいいな。こういう足の探偵はどんでん返しあまり無いが、本書はそれが効果的に使われるいい一冊でした。2022/04/15
Kitahiro
0
Kindle2023/02/26
志村真幸
0
もともと1967年に読売新聞社から出たもので、現在までにいくつものバージョンがある。 近松検事を主人公とした長編ミステリ。 最後のどんでん返しがすばらしい。完全に予想を裏切られる結末であった。 ストーリー運びももたついたところがなく、すっきり読める。 高木作品でも5本の指に入る傑作だろう。 2019/06/04