内容説明
紅い羽織に金の文字「日下開山」「兵法天下一」、なんとも人を喰った文句を染め抜いて、嘘か真実かこれまでに敗北をきっした相手は宮本武蔵ただ一人という。そうとは見えぬ優男、それが華麗なる武芸者・夢想権之助だ。武者修業といいながら、江戸でのんきに暮らす夢想権之助を、奇怪な技を使う忍びの集団が襲う。忍びたちの狙いは何か?鍵は権之助の故郷・鹿島にあるらしい。愛用の杖をたずさえ、権之助は放立つ。鹿島の杜にたちこめる暗雲を打ち払うために!選考委員も驚いた。痛快時代伝奇。第八回ファンタジア長編小説大賞準入選作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫
1
およそ十数年ぶりの再読。常陸の国鹿島神宮(現・茨城県鹿嶋市)の要石伝説をめぐって、剣豪、忍者、入り乱れての攻防戦を描く伝奇チャンバラ活劇剣豪小説系。ロケット弾や火縄銃も飛び交うよ!であります。主役の夢想権之助以下、登場剣豪の人選が何とも微妙過ぎる本作。着想は秀逸なのですが、盛り込み過ぎの内容に装飾過多の文章、おまけに誤字脱字がやたらに目立ち、何とも読みづらいのが残念なところ。改稿校正に時間をかけて、文章やプロットを整理したなら五十ページは薄くなったのではないでしょうか。作者の熱気が空まわり。星3つ。 2014/07/05