内容説明
生物実験で本当は鳥になるはずだったのに、コレラ菌になってしまった主人公は人間の体内に入る。そこには騒然とした細菌国家があった……。当時、世界的に注目を浴びていたダーウィンの『進化論』への痛烈な批判を込めて描く。 本邦初訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ハチアカデミー
9
かのハックが魔術師の手によって鳥になる予定がミスによってコレラの細菌になってしまい、飲んだくれのブリツォスキーという人物の体内世界に入り込むという設定からして凄い。その体内では各菌族による共同体が形成されている。そこに住まう菌々との交流、議論の果てに、ハックは「人類」的なものの無限地獄を見ることになる。科学的な知識が、モダニズムへ大きな影響を与え、かつ当時の人々の想像力を広げたかということを示唆される一冊。そして邦題が素晴らしい。「細菌とともに三千年」という原題をハック物として提示することに成功している。2014/11/07
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0
.2022/05/31