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内容説明
人は自分で考えているほど、自分の心の動きをわかっていない。人はしばしば自覚がないままに意志決定をし、自分のとった行動の本当の理由には気づかないでいるのだ。人間科学の研究が進むにつれ、「認知過程の潜在性・自動性」というドグマはますます明確になり、人間の意志決定の自由と責任に関する社会の約束ごとさえくつがえしかねない。潜在的精神を探求する認知・行動・神経科学の進展からうかびあがった新しい人間観とは。
目次
序 私の中の見知らぬ私―講義に先立って
第1講 自分はもうひとりの他人である―自己と他者の社会認知心理学
第2講 悲しいのはどうしてか?―情動と帰属理論
第3講 もうひとりの私―分割脳と「自己」
第4講 否認する患者たち―脳損傷の症例から
第5講 忘れたが覚えている―記憶障害と潜在記憶
第6講 見えないのに見えている―いき下知覚と前注意過程
第7講 操られる「好み」と「自由」―サブリミナル・コマーシャリズム
第8講 無自覚の「意志」―運動制御の生理学と哲学
第9講 私の中の悪魔―自由意志と「罪」をめぐって
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
85
この筆者のもう少し易しめのちくま新書の本を読んで興味を深めましたので、さらに少し歯ごたえのあるこの本を読んでみました。非常の正統的な心理学の本で分かりやすくするためにときたまコミック調の絵が挿入されていて息抜きになります。昔ナチスのゲッペルスの宣伝についての話を読んだことがありますが、このような観点から分析してみたい気がします。2015/09/20
harass
74
『「読まなくてもいい本」の読書案内』のリストにあった認知心理学入門書。認知心理学の数々の実験の紹介と意味合いから、意思や知覚というものが実にあやふやなものであり、法などの従来の人間観が揺さぶられていると著者は主張する。1993年の古い本であり、ブライアン・キー『メディア・セックス』のことが出てきて苦笑。個人的に大学で受講した心理学で知った実験の意味合いなどいまさら理解できた。大学講義をまとめたものだそうでやや専門的で少しは前知識が必要と思われるが認知心理学の一冊として良書。2017/12/04
ばんだねいっぺい
32
意識ではなく、状況に転がされている。覚えているCMより、覚えていないCMの影響は、無視できない。気がつけばというのには、一定の根拠がある。2018/12/14
Shun
27
少々古い本だが脳科学の主に”意識”について学ぶには十分でした。サブリミナルと聞けば、約三四半世紀くらい前に知られるようになった〇〇効果を連想し安易にイコール洗脳というイメージもあるかもしれない。本書はそんなテレビコマーシャルに付随して説明される現象も含め、無意識に処理される多くの不思議な、そして奇跡のような脳の活動を専門的に解説します。人は自ら知覚している部分とそうでない部分を備え、特に潜在意識的な部分には今でも驚異的と思える脳の神秘を感じ、これからのサイバネティクス分野の発展にも興味が掻き立てられます。2021/07/14
西
23
1996年と古い本だけど、面白くて色々と考えさせられる。自分の行動は自分の意志で行っていると思っていることも、実は自分が認識できていない原因からの行動であって、後付けで意味を作ったりしていることなど、読んでいて怖くなることが多い。そもそも自分の意志かどうかなんて、きれいに線引きできるものではないのだろうけど。他人を通して自分の感情に気付く(意味付けする)など、自分とは何かを考えさせられる、仏教にも結びつく部分があるなと思う、面白い本だった。2019/11/10
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