内容説明
信長が本能寺に斃れた翌日、そうとは知らず毛利攻めを続ける秀吉軍は、毛利に密書を携えた明智の使者を捕縛した。難解な暗号で記された密書、やがて解読された凶報。知恵者、黒田官兵衛の秘策をもって、秀吉軍は急遽、明智攻めに取って返した。――史実の“裏”を照射する歴史推理の傑作短編集。
感想・レビュー
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はらぺこ
36
歴史推理小説。短編集。 『天正十二年の~』と『怨の系譜』は二人の会話オンリー。少々他の著書の宣伝ぽいけど好き。『怨の系譜』の最後に出てきた名前に感心した。 一番好きやったのは『修道士の首』。織田信長が城下で噂の金毛天狗の謎を暴く話。『名探偵 信長』ってタイトルの方が似合うと思う(笑) 2011/03/17
ちばと~る
21
井沢元彦先生の歴史ミステリ短編集。井沢先生って歴史研究家としては凄いんだけどミステリ作家としては...正直あんまり面白くないかなw自著宣伝的な記述もちらほらw勝海舟が握る明治維新の謎!のお話は孝明帝暗殺!よりは明治帝替え玉!!のほうがイイかもwで結構楽しめたし満足!!2014/01/04
つーこ
8
え?短編集なの??と、物語の浅さを懸念したのですが、いいね。これ。歴史上の人物のある一つの事件にのみフォーカスを当てていて、だからそこ短編が活きるし、人物のチョイスが私好みで、どの話も興味をひかれた。こんなことがあってもおかしくないな〜と歴史に対するロマン?がふつふつと沸き起こりました。2011/05/17
ミカコ
3
歴史をテーマにした短編集。フィクション中心。横文字に苦しんだものの「修道士の首」が一番面白かった。ノンフィクション寄り(会話のみ)の「怨の系譜」も興味深かった。2022/04/12
ちばっち
3
『明智光秀の密書』は軍師黒田官兵衛が暗号を解くお話で、材料として漢籍に載っている意味不明の文章の解き方や、忍者の暗号法などが興味深かったです。そして何より秀吉が官兵衛を警戒し始めるキッカケとして扱われているのにニヤリとしてしまいました。『暗号』は勝海舟が主役ですが私たちのイメージ通りの勝という感じで実話なのでは!?と思ってしまいそうです。『怨の系譜』は諡号の話が興味深かったです。特に中国の皇帝の諡号を見るとある程度その帝の業績がわかる、というお話はかなりトリビアでした。2012/10/29