内容説明
地蔵坊先生お気に入りのカクテル『さすらい人の夢(ボヘミアン・ドリーム)』の二杯目が空く頃、物語は始まる。土曜の定例会で山伏の先生が聞かせてくれる体験談ときたら、ローカル線の犯人消失、崖に住む新興宗教家の死、トリュフに端を発する真夏日の事件、雪と共に降って湧いた博士邸の怪など、揃いも揃って殺人譚。ことごとく真相を看破したという地蔵坊が、名探偵行脚さながらの見聞を語る七話を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Aya Murakami
88
ニッポン硬貨の謎の裏で紹介された本。他館図書館から取り寄せて読み終わりました。 主人公の山伏が各地を回り歩いて体験した(作り話かもしれないが…)事件の話を語るミステリー。山伏に関するコラムにて山伏が使うホラ貝がホラ吹きの語源だとか…。この辺からつくり話というアイデアが連想されるわけですね。 アリバイ工作のために行った行為がまわりまわって自らの命を奪う話はミステリー性と同時に何やら寓話めいた印象を感じさせました。2019/10/10
やも
69
ブオォ〜ン🐚!面白かった!ブオォ〜〜ン🐚✨山伏の地蔵坊。毎週土曜日にスナック『えいぷりる』に参上。カクテル【ボヘミアンドリーム(さすらい人の夢)】を片手に語る夢か現か、世にも奇妙な殺人事件⚡️現実離れしているような、一筋縄じゃいかない7話の事件それぞれを地蔵坊が解決。私もカウンターで隣合わせて耳をダンボにして聞いちゃったような感覚に🍹どれも酒の肴にピッタリな話🍸️ちょっぴり不思議な世界へ酔いしれる1冊。シリーズ化なってるのかな?だとしたら読みたいなぁ。2025/02/23
yukision
47
バーの常連客に自分が巻き込まれたという事件を語る山伏。内心作り話だと思いながらも毎週土曜日のこの時間を楽しむ常連客。バーと山伏という一風変わった組み合わせが新鮮で、そのうさん臭さも自然に受け入れられた。『毒の晩餐会』が良かったが、そのほかも軽く読めてそこそこ楽しめた。2020/10/02
雪紫
46
土曜のバー「えいぷりる」。そこは常連の集いの場、何故ならそこに自らの推理体験を語る山伏が来るから。嘘か真か。常連達は推理を楽しむ。バーに山伏、事件と常連。何処かかみ合わないように見えて、実はそうではない組み合わせとシンプルな謎解きがたくさんで何処か不思議な雰囲気。個人的な好みは「シンデレラ」「仮装」「晩餐会」・・・え、これで終わりという実感ないんですけど。なお、解説読むと「隅の老人」のネタバレあるので気を付けて(積読でネタバレ食らう)。2025/06/25
takaC
43
あとがき(アリス)と解説(戸川安宣氏)も含めて完全形の作品なんだね。2013/02/14