内容説明
小林秀雄の直観をベルクソンの「イマージュ」概念と合わせ鏡にし、吉本隆明の基底的視座である「関係と関係項」の実質をその詩篇群にさぐる。ビクトル・エリセ、マルグリット・デュラスの小論などを含む、滑脱とした映像文化論集。
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目次
まえがき
1 イマージュ・近代・シミュラークル
2 小林秀雄とイマージュ
3 吉本隆明における関係と関係項のディアレクチック
4 ファスビンダーと生の単純な力──『シナのルーレット』について
5 『ナインハーフ』を観て──Sさんへの手紙
6 開かれゆく少女の蔭に──加藤周一批判付ビクトル・エリセ小論
7 デュラスの透明な破壊──『インディア・ソング』と『ヴェネツィア時代の彼女の名前』について
8 シミュラークルあれこれ
あとがきに代えて──古い映画のようなフランスの思い出