内容説明
燃える火に夜と書いて、カヤ。赤い髪に華奢な躯、大きな眸をした捉えどころのない娘。行く夏の海で火夜に逢った真波は、何の違和感もなく一緒に住むようになっていた。その火夜が不意に姿を消してしまう。そして二週間、真波の許へ火夜と同じエナメルを塗った小指が届く。動顛した真波は同じマンション内の今泉文吾探偵事務所を訪ね、火夜を捜してほしいと依頼するのだが……。謎めいた娘を求めて、植物園と見紛うばかりの庭苑に足を踏み入れた探偵。血を欲するかのように幾たりもの死を招き寄せる庭で、今泉が見出したものは? 悲痛な真相が惻々と胸に迫る、本格ミステリの傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雪紫
53
再読(被害者と真相のいくらか以外忘却)。ミステリに庭園というものは謎が埋もれてないか気になるとこだけど、この本は庭が犯罪を招き入れたのか、魔性の女が庭に魅入られたからこそ犯罪を招いたのか気になってしまう塩梅。何処か振り回されてる感じなのに悲しさを覚えてしまう。2023/06/27
あつひめ
27
この作品は、今泉探偵所の根っこに埋もれているものを感じさせる重要な作品かもしれない。「ねむりねずみ」の今泉や山本君、そして今回の出来事に少しでもかかわった人間が今後どう動くのか・・・。どうにも、今回の事件に関わっている人間のどこに気持ちが寄り添えるかなかなか判断がつかなかった。今泉のプロらしくない探偵業務。何を見てそう思うのか…今泉の気持ちがつかめなかった。何を抱え、何を守ろうとしているのか。シリーズ中に解き明かされるのだろうか?早速、第三弾「散りしかたみに」を読んじゃおうかな。2011/06/26
夜梨@灯れ松明の火
15
今泉シリーズ「ねむりねずみ」等の前段階の話。今泉探偵と山本くんの関係もなんだか腑に落ちないし、二人の少女の行動(特に指!)も首をかしげたくなります。題名になってもいる「ガーデン」の登場も唐突過ぎです。この話が歌舞伎シリーズ等の前振りになるという意味では読んでおかないといけないのでしょうが、少々後味の悪い話でした。。とはいえ、ねむりねずみも、歌舞伎シリーズも話をすっかり忘れています(^_^;)折角なので再読してみます。 2013/04/03
calaf
10
テエブルとかゲエムとか、こういう表記はわざとやったのかな???それにしても、山本君にはこんな過去があったとは...第1弾、まだ読んでいない(大汗)けど、いつか読めるかな?2012/09/08
zanta
9
87/3/23/2017 ふたりの描写は好きだが、だんだん違和感が出る。最後の方は、私には解らんと諦観。2017/03/23