内容説明
日中双方のふところの中で育ち、自ら現地を視察し事業展開する著者が、繁栄に向けて離陸した中国の知られざる素顔と、両国人の気質の差異を実務・文化の両面からわかりやすく解説する。アジアの時代をむかえた今、巨大な隣国とどうつきあうか……。
目次
こんなにも違う中国人と日本人(「口」は「顔」より人間を浮き彫りにする;箸の形も違うが、置き方まで違っている;魚の食べ方で生い立ちの違いがわかる ほか)
社会主義市場経済をバカにするな(中国人に理解できない公益優先の思想;これほど政府を信用しない国民も珍しい;日本人にはわからない“亡国の民”の哲学 ほか)
過去にこだわって未来を見誤るな(共産主義の一番似合わない国民;エコノミック・アニマルとホモ・エコノミクス;ふだんの日はショー・ルーム、バーゲン・セールが本番 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HIRO1970
12
⭐️⭐️⭐️本書は93年の執筆の物ですが、先見の明が随所に感じられ、またしても完全に脱帽の良書でありました。彼の国と本邦の違いを食文化から歴史的背景、過去の決断や対処法、外来文物の取り込み方まで幅広く類例を挙げて紐解かれており、まさに目から鱗でありました。特に圧巻なのは、日本人を職人と看破している事で長年のもやもやが一気に解消された気持ちすらしました。彼の国が商人の国である事は見えていましたが、結果、半可通である事がわかり更に著者にリスペクトを感じました。これからも他の著作もチェックしたいと思います。2014/04/13
Yoshihiro Yamauchi
2
邱永漢さんの公式ウェブサイトで。http://www.9393.co.jp/china_japan/kako_china_japan/2012/12_0806_china_japan.html 中国人出会った時に感じていた違和感が何なのか、わかる気がするようになった。中国人との対比で日本人がどう言う考え方をするのか、客観的に感じることができた。ものの考え方がこんなにも違うのだから、お互いに違和感があっても無理はない。互いにうまく付き合うためのヒントになる本。2013/10/14
toshokan-no-hito
2
「金儲けの神様」という称号で知られる邱永漢だけど、この人、もともとは直木賞作家。小説家として認識している人はどれだけいるのだろう。斯く言う私も事業家兼文筆家という認識だけど。この本が書かれたのは1993年。折しも中国は天安門事件で国際的信用を失いかけていて、鄧小平の改革開放政策が花開き始めていた頃。古典や中国人の習俗を引き合いに出して現代の中国を語る手法は必ずしも有効ではないと思うのだが、この人の筆にかかると実に明解で思わず頷いてしまう。一読の価値あり。2011/03/02
Takashi
1
文化書 再読可
カネコ
1
○2011/03/02