文庫コレクション 大衆文学館<br> お吟さま

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文庫コレクション 大衆文学館
お吟さま

  • 著者名:今東光【著】
  • 価格 ¥715(本体¥650)
  • 講談社(2014/08発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062620291

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内容説明

千利休の娘・お吟の胸には、堺の豪商・万代屋宗安に嫁いだ後も、初恋のキリシタン大名・高山右近の俤(おもかげ)がひそかに生きつづけていた。やがて離婚したお吟の美貌は、最高権力者・秀吉の関心をひき、その軋轢が、お吟と利休を苛酷な運命の袋小路に引きずりこむ……。戦国の世を生きた薄幸の美女を描き第36回直木賞を受けた名作に、平家滅亡に生涯を賭した僧の生きざまを綴る『弱法師』を加えた本格歴史小説集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hit4papa

39
タイトル作の「お吟さま」は、千利休の娘、お吟の生涯を描いた作品です。お吟が、松永久秀の胤だったり、千利休の切腹は秀吉のお誘いを突っぱねたのが遠因としていたり、キリシタン大名高山右近とラブラブだったりと、面白い設定です。しかしながら、読みにくさは半端ではありません。「弱法師」は、平氏滅亡のきっかけを作った西仏坊の物語です。源平の合戦を概観しているのですが、話があちこちいって誰が主役か途中、見失ってしまいます。ラストは主人公と落ちぶれた遊女の人情噺となりました。こちらも超絶読みにくい作品です。【直木賞】2019/08/12

mizuha

24
秀吉の時世を背景に、利休の義理の娘”吟”と、幼なじみ高山右近の悲恋を描く直木賞受賞作品。侍女が語る形なので、何にでも「御」が付けられていて軽いカルチャーショック。吟の自害が、利休切腹の遠因であるというのも無きにしも非ず、と思わせる秀吉像はお約束通り。もう一編は、清盛に憎まれ成り行きで源平の戦に身を投じ、後に「親鸞上人行状記」を記す事になる西仏の一生を描く「弱法師」。どちらも、時代がかった流麗な文章を味わい、さらに歴史の裏側を見る思いがした。2015/03/12

のん

6
ちょっとしたきっかけで今東光資料館へ。スタッフの方があまりに熱く説明してくださるので帰るに帰れず(笑)、マンツーマンでレクチャーを受けること小一時間。作品数もさることながら、今東光氏の人脈の広さに驚きです。1冊ぐらいは何か読んでみようという気にさせられて(資料館の思惑通りです)お勧め1位のこの本を。紙の本は入手困難なので電子書籍初購入。歴史小説は登場人物が多くていつもは付箋だらけになってしまうのですが、マーキングと検索機能を活用、これは便利でした。お勧め2位の「こつまなんきん」も手に入れば読んでみたい。2018/11/11

massda

3
「お吟さま」は「へうげもの」と併読するととても味わい深い。「弱法師」も、平家物語を別の位相から見た感じで、内戦のしんどさが胸に迫る。2014/02/19

tenchi

3
今東光の「お吟さま」を読みました。千利休の娘お吟とキリシタン大名高山右近の悲恋を侍女に語らせる形式のこの作品が、毒舌コメンテーターの印象が強い今氏の直木賞作品だとは意外な感じでしたが、その懐の深さも再認識しました。携帯小説やライトノベル全盛の時代だからこそ残ってほしい作品だと思います。「弱法師」は、文才に恵まれ文章博士にまで昇り、後に「親鸞上人行状記」著わす西仏の波乱の人生を、元遊女との恋愛も絡めて描いたもので、偶然大河ドラマの「平清盛」と平行して読め、違う側面からこの時代を辿ることができて楽しめました。2012/02/06

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